1990年代にJR東日本が推進していたのが「東京圏70km60分構想」です。広がる都市圏にあわせて列車をスピードアップするというものですが、具体的にどのような取り組みだったのでしょうか。各方面の列車の表定速度を軸に振り返ります。 都心70km圏を1時間で結ぶ構想、どうなった? ※本記事は『JR東日本 脱・鉄道の成長戦略』(枝久保達也著、河出書房新社)の内容を再編集したものです。 今では語られることはありませんが、JR東日本が1990年代に取り組んでいたのが在来線高速化計画「東京圏70km60分構想」です。実はこの構想のもとで誕生したのが、2024年3月のダイヤ改正時に廃止で社会問題化した京葉線「通勤快速」や、ここ数年で姿を消した東海道線「アクティー」、宇都宮線「ラビット」、高崎線「アーバン」などの中距離電車の快速でした。構想は30年でどのような成果を上げ、そして終焉に向かったのでしょうか。