漢方薬には、精神に作用するものもあります。穏やかに効き、副作用が少ない漢方薬は患者さんから好まれることも多く、精神科領域でもしばしば用いられます。 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、不安症状に対して用いられることの多い漢方薬です。不安障害(神経症)や心身症をはじめ、うつ病や不眠症にも補助的に用いられることもあります。 半夏厚朴湯にはどんな効果があるのか、どんな人に効果のあるお薬なのかについてお話していきます。 1.半夏厚朴湯の成分 漢方薬は、様々な生薬(しょうやく)を配合して作られています。 半夏厚朴湯も5つの生薬が配合されており、その内訳は ・半夏(はんげ)3.0g・・・鎮吐作用、去痰作用 ・茯苓(ぶくりょう)2.5g・・・利尿作用、鎮静作用 ・厚朴(こうぼく)1.5g・・・収斂作用、利尿作用、去痰作用、筋弛緩作用 ・蘇葉(そよう)1.0g・・・精神安定 ・生姜(しょうきょう)0.5g