11月1日はサイレンススズカの命日だ。あの天皇賞の事故からもう23年になる。 1998年、4歳になったサイレンススズカは6戦6勝で、すべて逃げきりだった。いまでも語り種となっている金鯱賞の大差勝ち。唯一のGI勝利となってしまった宝塚記念。3歳のグラスワンダーとエルコンドルパサーをよせつけなかった毎日王冠。速く強い中距離ランナーに成長した小さな栗毛は、あの天皇賞を逃げきり、翌年は両親の故郷アメリカでそのスピードを披露するはずだった。 1枠1番。仮柵が外された東京競馬場のインコースは最高の馬場コンディションだった。どうぞ思う存分逃げてください。競馬の神様もサイレンススズカに囁いていた。