家族新聞 [写真]浅田政志 [文]共同通信社[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)[掲載]2011年3月6日著者:共同通信社 出版社:幻冬舎 価格:¥ 1,575 ■家族の形は多様、肩の力抜いて 日本は「家族」の問題でゆれ続けている。幼児虐待、引きこもり、介護、高齢者の所在不明……。すべては家族のあり方の揺らぎが関係している。 社会的関係性やコミュニティーが流動化する中、育児や介護を孤立した家族(特に女性)が抱え込み、疲弊するケースが後をたたない。国家によるセーフティーネットには穴が開き、十分な所得がなければ市場のサービスを受けることができない。子育ての環境が整わず、不安が蓄積される中、少子化は依然として進行し続けている。 日本の家族はどこへ向かっているのか。本書は、注目の写真家が今の家族を撮り、新聞記者が文章を添えたフォトブックだ。 現代日本では核家族化・