![Amazon.co.jp: ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか: シュロモーサンド (著), 高橋武智(監訳) (翻訳), 佐々木康之 (翻訳), 木村高子 (翻訳): 本](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/03f2f00b819c9a197ac3f438ae5886a0d1c23a09/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41t1eDNunkL._SL500_.jpg)
世界史のなかの中国 文革・琉球・チベット [著]汪暉[評者]柄谷行人(評論家)[掲載]2011年3月6日著者:汪 暉 出版社:青土社 価格:¥ 2,940 ■「普遍」と「特殊」、二つの観点交差 著者は私が最も信頼する現代中国の思想家である。魯迅研究者として出発した著者は、天安門事件で弾圧された後、より広い領域に踏み入った。しかし、ある意味で、彼はより魯迅的な道を歩んでいるようにみえる。すなわち、一方で世界的な知的状況に通暁すると同時に、他方でつねに、中国という特殊な文脈の下に考えようとしてきたのである。それが彼を独自の存在にしている。 本書にも、その二つの観点がある。一つは普遍的に世界的状況を考え、中国をその中において見ることである。現在の世界に支配的な傾向は、著者の言葉でいうと、「脱政治化」である。これは、つぎのようにいうとわかりやすいだろう。たとえば、1990年以後、「資本主義」のか
ジョヴァンニ・ファルコーネ(イタリア語: Giovanni Falcone, 1939年5月18日 - 1992年5月23日)はイタリアの裁判官。その生涯をマフィア撲滅運動に捧げるも、盟友の裁判官パオロ・ボルセリーノと相前後してマフィアの手で暗殺された。 生涯[編集] 生い立ち[編集] 第二次世界大戦直前の1939年5月18日にシチリアのパレルモで生まれた。父アルトゥーロは化学者、母ルイサは敬虔なキリスト教徒であった。また、ボルセリーノとは幼馴染であった。イタリア海軍に士官候補生として勤務したのち、パレルモ大学において法学を学び、首席で卒業した。 法曹界へ[編集] 大学卒業後は法曹界へと進む。1965年、カターニャ南方の小都市レンティーニの判事に就任。その後トラーパニ、次いでパレルモへと転任し、次第にマフィアに関する裁判の専門家になっていった。 1978年、ロッコ・キンニーチ(英語版)判事
日本の刺青と英国王室―明治期から第一次世界大戦まで [著]小山騰[評者]平松洋子(エッセイスト)[掲載]2011年2月6日著者:小山 騰 出版社:藤原書店 価格:¥ 3,780 ■「野蛮」に憧れた、奇妙な交流史 カバーの肖像写真に息をのんだ。笑みを浮かべた妙齢の英国女性が身にまとっているのは繊細なレース模様のドレスではなく、全身にほどこされた刺青なのだった。彼女は「刺青師の王様(キング)」と呼ばれた英国人G・バーチェットの妻。よく見ると、右上腕の一部に髪を結った日本女性の意匠が紛れこんでいる。 この本を読むまでまったく知らなかった。明治期、英国から日本の刺青にこれほど熱い視線が注がれていたとは。 刺青は文明開化まっさかりの日本で野蛮とみなされ禁止されたが、かたや「文明国」の英国王室や貴族階級にとっては憧憬(しょうけい)の対象だった。先鞭(せんべん)をつけたのは明治天皇にも面会したベレスフ
災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか [著]レベッカ・ソルニット[評者]柄谷行人(評論家)[掲載]2011年2月6日著者:レベッカ ソルニット 出版社:亜紀書房 価格:¥ 2,625 ■相互扶助の出現、無法状態でなく 大災害が起きると、秩序の不在によって暴動、略奪、レイプなどが生じるという見方が一般にある。しかし、実際には、災害のあと、被害者の間にすぐに相互扶助的な共同体が形成される。著者はその例を、サンフランシスコ大地震(1906年)をはじめとする幾つかの災害ケースに見いだしている。これは主観的な印象ではない。災害学者チャールズ・フリッツが立証したことであり、専門家の間では承認されている。にもかかわらず、国家の災害対策やメディアの関係者はこれを無視する。各種のパニック映画は今も、災害が恐るべき無法状態を生み出すという通念をくりかえし強化している。 むしろこのような通
文学者たちの大逆事件と韓国併合 [著]高澤秀次[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)[掲載]2011年2月13日著者:高澤 秀次 出版社:平凡社 価格:¥ 798 ■「国民」の境界めぐる国家的暴力 昨年2010年は、大逆事件と韓国併合から100年。両者が同じ年に起きたことは、偶然でありながら必然でもある。正しい日本人のコードを設定した大逆事件と植民地政策による同化をすすめた韓国併合。両者とも「国民」と「非国民」の境界をめぐる国家的暴力が発動された事件だ。一方は国内への暴力。もう一方は国外への暴力。 著者は社会学者・大澤真幸氏が戦後日本を分析する際に用いた「理想の時代」「虚構の時代」「不可能性の時代」という区分を、明治期に援用する。著者によると「『国家』の成長に『個人』の成長の物語が重なる幸福な時代」が「理想の時代」。しかし、日露戦争の勝利(成長物語の終焉〈しゅ
遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える [著]フランシス・S・コリンズ[評者]辻篤子(本社論説委員)[掲載]2011年2月13日著者:フランシス・S・コリンズ 出版社:日本放送出版協会 価格:¥ 2,205 ■解読宣言10年、「革命」は起きたか ヒトの全遺伝情報、すなわちヒトゲノムの解読がほぼ終わった。クリントン米大統領が2000年6月、こう宣言したときにその脇に立っていたのが著者である。日本も参加した国際協力による解読計画を率いた。 医学はもちろん、私たちの生活は一変する。大統領もそう高らかにうたい上げたのだが、10年たってどうか。 本書は、ヒトゲノムの今を一般向けに語る。序章のタイトルにあるように「もう、知らないではすまされない」からだ。 ヒトゲノムは60億文字あり、私たちはだれもが、文字の変異を数多く持って生まれている。致命的な病気をもたらすたった1字のミススペルや、糖尿病
なぜ科学を語ってすれ違うのか―ソーカル事件を超えて [著]ジェームズ・R・ブラウン[評者]辻篤子(本社論説委員)[掲載]2011年2月20日著者:ジェームズ・ロバート・ブラウン 出版社:みすず書房 価格:¥ 3,990 ■社会における科学、論争後の問い ソーカル事件とは、米国の物理学者ソーカルが1996年、ポストモダン派の雑誌に投稿した、科学的な装いのパロディー論文がまんまと査読を通過して掲載され、ポストモダン派が面目をつぶした事件だ。それが、いわゆる「サイエンス・ウオーズ」に火をつけ、科学者と、知識に客観性はなく社会の構造物と考える科学論の研究者との間で激しい論争になった。 本書は、科学、認識論、政治が絡まったこの論争を、一段落した2001年にカナダの科学哲学者が「親科学的左派」の立場から読み解いたものだ。ねらいは「誰が科学を支配するのか」という原題にある通り、よりよい社会のために科学
日露戦争と日本在外公館の“外国新聞操縦” [著]松村正義[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)[掲載]2011年2月27日著者:松村 正義 出版社:成文社 価格:¥ 3,990 ■対外宣伝活動、鋭敏な時代感覚 外国新聞操縦という耳慣れない語は、明治時代の外務省で用いられた「対外宣伝活動に関する用語」なのだという。この用語を軸にして、日露戦争下で日本の外務省は世界各国にある在外公館にどのような世論工作を命じたか、それを受けて各国の大使や公使などは自らの活動を本省にどう報告したのか。それを残された史料をもとに分析したのが本書である。 著者は日露戦争研究の第一人者だが、膨大な史料を読みこなしてまとめられただけにその訴求点は深く、そして幅広く目配りされている。読後の感想は、二つの発見と三つの驚きに尽きる。二つの発見とは当時の人材の層の厚さとその時代感覚の鋭敏さである。小村寿太郎外相を発信源に、
パリが愛した娼婦 [著]鹿島茂[評者]平松洋子(エッセイスト)[掲載]2011年3月6日著者:鹿島 茂 出版社:角川学芸出版 価格:¥ 2,940 ■19世紀 都会の夜闇に時間旅行 「高級」娼婦(しょうふ)ってなんだ? つい先日も、新国立劇場でヴェルディのオペラ「椿姫」を観(み)ながらそう思ったのだった。この名作オペラのヒロインは高級娼婦ヴィオレッタ。原作者デュマの恋愛体験が下敷きになっている。そもそも娼婦はフランス文学との関係も濃厚だ。バルザック、モーパッサン、プルースト。ゾラ「居酒屋」は娼婦ナナの浮き沈み人生を描く一大長編だ。娼館に通いつめて熱心に娼婦を描いたのは画家ロートレック。どうやら娼婦という存在は、パリおよびフランス社会を読み解く重要な鍵のようなのだ。 かねがね抱いていた関心に応えてくれるのは、われらが鹿島教授。壮大な書物渉猟の成果を惜しげなく注ぎこみ、娼婦を手だてに十九世紀
家族新聞 [写真]浅田政志 [文]共同通信社[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)[掲載]2011年3月6日著者:共同通信社 出版社:幻冬舎 価格:¥ 1,575 ■家族の形は多様、肩の力抜いて 日本は「家族」の問題でゆれ続けている。幼児虐待、引きこもり、介護、高齢者の所在不明……。すべては家族のあり方の揺らぎが関係している。 社会的関係性やコミュニティーが流動化する中、育児や介護を孤立した家族(特に女性)が抱え込み、疲弊するケースが後をたたない。国家によるセーフティーネットには穴が開き、十分な所得がなければ市場のサービスを受けることができない。子育ての環境が整わず、不安が蓄積される中、少子化は依然として進行し続けている。 日本の家族はどこへ向かっているのか。本書は、注目の写真家が今の家族を撮り、新聞記者が文章を添えたフォトブックだ。 現代日本では核家族化・
タイ スラム街でも募金活動 3月21日 8時26分 東北関東大震災の被災者を少しでも支援しようと、タイでは、各地で募金活動が行われていますが、首都バンコクにある貧しい人たちが暮らす地域でも募金活動が始まりました。 この募金は、およそ10万人が暮らすバンコク最大のスラム街で活動する支援団体が中心となって、20日に始まったもので、参加者が仏教の読経を行い、震災の犠牲者を悼んだあとスラムの中を回り、震災の被災者への募金を呼びかけました。このスラム街の住民の多くは、一日の所得が日本円で数百円ほどですが、小さな子どもを含む多くの人々が呼びかけに応じ、次々と募金箱の中にお金を入れていました。募金に応じた男性の一人は「できることは僅かですが、被災した日本人のためにできるだけのことをしたい」と話していました。また別の男性は「被災者が気の毒です。タイの友人である日本に支援したい」と述べました。募金を呼びかけ
高橋源一郎 @takagengen 「午前0時の小説ラジオ・震災篇」・予告1・今夜は、「小説ラジオ」をやります。最近フォローされた方はご存じないかもしれませんが、一つのテーマでの連続ツイートです。長い時には、2時間近く続くので、フォローを解除されてもけっこうです。 2011-03-20 22:03:53 高橋源一郎 @takagengen 「小説ラジオ」・予告2・土曜日は、ぼくが勤めている大学の卒業式がある日でした。しかし、「非常時」のため、卒業式はなくなりました。けれども、その日、学生の3分の2ほどは、少々、着飾って、卒業式のない学校に集まったのでした。行くあてもなく、学内を彷徨する学生たちは難民のようでした。 2011-03-20 22:07:01 高橋源一郎 @takagengen 「小説ラジオ」・予告3・結局、学生たちは、いつしか学内のホールに集まり、予定されたプランのない「卒業式
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