十代のころの自分の姿を思い返してみると、ベッドの上に両膝を立てて座り、膝に文庫本を載せ、背をまるめてページを覗きこむように読んでいるところが、頭に浮かぶ。背中や座骨のあたりが痛んでくれば、後ろへ背を倒してヘッドボードにもたれたり、片脚だけの立て膝にしたり、あぐらをかいたりする。そうやって、夜、自室で本を読んだ。 夜が更けて、いよいよ体を起こしているのがつらくなってくると、横になる。腹ばいに寝て、両肘をついて、ヘッドボードに本を立てかける。もしくは、横向きに寝て、片肘をついて手のひらで頭を支えた涅槃像の体勢を取り、もう片方の手でページをめくる。肘が痛んできたら、仰向けに寝て、腕を上へ伸ばして本をもつが、これはすぐに腕が疲れるので長くはやらない。しばらく経つと、どう寝ても肘か腰に負担がかかるのが気になってきて、本から目を離さずにふたたび上半身を起こし、座った姿勢に戻ることもある。そのうちに、夜