私は考えすぎる。 小さい頃から勘が悪く、物事の要点を見つけるのが下手だからだろう。 いちいち小さい事につまづいては、エネルギーを浪費する。 正直、私である事に疲れている。 —頑張れ。 私はこの言葉が、好きじゃなかった。 このフレーズが出てくるタイミングはかならずと言っていいほど、 「頑張って」いる時だから。 これ以上、回転数が上がらない。 私は、必死になってやっている。 それを見ているだろうに。 その上で、もう一段階ギアを上げろと言うのか。 素直だったあの当時、言われるがままに熱量を作り出そうとした。 それからのルートは勝手知ったるお決まりの道が続く。 オーバーヒートを起こした頭と心と身体は冷静に物事を見る事が出来なくなる。 ようこそ。 いつもの失敗ルートへ。 疲れ切った瞳で、振り返って見ても、経験も何も残っていない。 見渡す限りの荒野が広がる。 こんなみじめな結末の繰り返しでいいのか。