ダイキン工業は19日、岡野幸義社長兼最高執行責任者(COO、70)が代表権のない相談役に退き、十河政則取締役専務執行役員(62)が社長に昇格する人事を発表した。井上礼之会長兼最高経営責任者(CEO、76)は留任し、引き続き経営を主導する。6月29日に開催する株主総会後の取締役会で正式決定する。新経営陣は成長が期待できる海外に力を入れ、事業基盤を強化する。 「グローバル空調ナンバーワンをほぼ手中にした節目の年に、さらなるグループの発展を目指し新体制で挑戦する」。大阪市内で会見した井上会長は、社長交代を決断した理由をこう説明した。 平成22年度の空調事業の売り上げは9千億円を超え、米キヤリア(コネティカット州)を抜いて世界一になる見込み。今後も「グローバルナンバーワンのさらなる発展を目指す」(十河政則専務)ため、北米のほか、インドやブラジルなど新興国市場を強化していく方針。