「開発需要が盛り上がり、技術者不足が懸念される今でも、地方のソフト開発会社が結構つぶれている。人月単価が低くなりすぎて、採算が取れなくなったからだ」。ユーザー企業とITベンダーの両方の経営幹部を務めた、あるコンサルタントがそんな話をしていた。 この人も指摘していたが、今のように景気回復に伴いユーザー企業のシステム開発案件が増え、需給バランスがITベンダーに有利になっても、SIにおける人月単価はそれほど上がらない。結局、前回の好況期の水準まで人月単価が上昇すること無く終わるだろう。実は、過去何度もあった景気の山における人月単価は一貫して下がり続けてきたのだ。 それでも大手SIerなら、比較的カネ払いの良い金融機関や公共関連に多数の顧客を抱えているので、「景況は良くなっても顧客のコスト削減要求は依然として厳しい」と嘆くものの、まだ恵まれている。一方、コストにシビアな製造業や流通・サービス業を主