大人と子どもの物語に、美味しい物が加わると面白い。そんな“大人+子どもの食物語”という新ジャンルができつつあるのかもしれない。すでに話題なのが、男やもめの数学教師が幼い娘のために料理に奮闘する『甘々と稲妻』(雨隠ギド/講談社)。そして、郷里に帰った男子が両親の残したうどん屋で男の子に出会う『うどんの国の金色手鞠』(篠丸のどか/新潮社)。両作品ともアニメ化され、大人+子どもの“ザ・不器用”な組み合わせが、一緒に美味しい物を食べることで心を通わせる物語だ。 そこにまた新たに注目の作品が登場した。『ヤングエース』で連載中の『東京のらぼう!』(関口太郎/KADOKAWA)は、都市部から郊外へ移住して13年のまんが家・とうたんとその妻、そして3人の愛娘たちとのカントリーライフが描かれている。 作者によって“だいたい実話”と明かされたこの作品の舞台は東京都あきる野市。秋川マス釣り場や日本山岳耐久レース