『映画は文学をあきらめない ひとつの物語からもうひとつの物語へ』(水曜社) どんなに完成度が高い作品でも、小説を映画化したときに全ての原作ファンを満足させることは不可能だろう。ファンの数だけ原作にはイメージがあり、解釈がある。ある人には好ましい映画化でも、違う人にとっては「原作を冒涜された」と感じてしまう事態からは逃れられないのだ。 しかし、映画もまた監督による原作解釈の一つだと考えれば、見方も変わってくるのではないだろうか。『映画は文学をあきらめない ひとつの物語からもうひとつの物語へ』(水曜社)は複数の著者たちがそれぞれの観点から小説と映画の関係について解説していく一冊だ。 編者である宮脇俊文氏は、映画化において「原作の精神(スピリット)」を残すことが大切だと指摘する。しかし、ここでいう精神とはあくまでも文字表現によって描写が可能になっていた事象であり、映像化の際には違う表現を考えなけ
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