コンビニやスーパーでよく見かけるパックご飯。実は隠れた売れ筋商品だ。その市場は20年間で、実に5倍も拡大している。パックご飯の生産量は1998年に3万5000トン、2017年には16万1000トンになった(農林水産省 「食品産業動態調査」)。いまどき長期にわたってここまで成長している市場も珍しい。一方で、私たちはコメを食べなくなった。この50年でコメの消費量は半減しているのだ。日本人が一年で食べるコメの量は、1965年に111.7キロ、2016年には54.4キロ(農林水産省「食料自給率に関する統計」)。コメ市場は縮んでいるのに、パックご飯は売れている。この一見矛盾する事実をどう説明すればいいだろうか。 ■臭いなし、賞味期限も長い パックご飯を買っているのは、50~60 歳代の主婦やシルバー層だ。子どもたちも独立し、自分が食べる量も減った。夫婦は別々に活動することも多く、個食ニーズは強い。簡