毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、ひょうひょうとした佇まいと独特の存在感で活躍の幅を広げている柄本時生さん。舞台『チック』でロシア移民の風変わりな少年チックを演じる。原作は世界中で愛されているドイツの児童文学。14歳といえば、柄本さんが俳優デビューした歳でもある。27歳の今、振り返って何を思うのか。 「14歳っていったら、なんだろう、いじめられてた時期ですね。僕、いじめられっ子だったんです」 14歳の思い出は、ちょっと意外な告白から始まった。 「学校で無視されてたのに、地元の下北沢に帰れば、友達がいたんで、まったく気がついていなかったんです。ある日、机にチョークがバラまかれていて。それで、あ、俺、いじめられてたんだって。そのあと、すぐ夏休みに入ったんですが、その頃、地元の幼馴染がもれなく