『全国版 あの日のエロ本自販機探訪記』(黒沢哲哉/双葉社) 押し入れから出てきた古ぼけた写真、うっそうと茂った雑草だらけの土地にひっそり佇む廃墟、疲れ切ったオジサンの背中――どこかもの悲しさが漂う対象に、人は“哀愁”を感じる。そんな哀愁を感じるものの一つに是非「エロ本自販機」を加えていただきたい。 「エロ本自販機」をご存じだろうか? 繁華街から少し離れた場所に、こっそりといかがわしい商品を求めてやってきた客人を待っているアレだ。そんな自販機であるが、最近とんと目にしなくなった。私が小中学生の頃、ちょっぴり(だいぶ?)田舎な実家の周りには、ざっと数えて3台は徒歩圏内にあったものだ。しかし、今となってはどれも撤去されてしまい姿を消してしまった…。「エロ本自販機」は絶滅の危機に瀕しているに違いない。 危機的状況にある「エロ本自販機」。そんな中、日本全土に現存するものほぼすべてを探し出し、撮影した