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ストレートエッジの三木です。 小説家を取り巻く状況も、一昔前に比べて相当厳しい時代になってきました。いくつか理由はあるのですが、まず、社会全体として賃上げ気運があり実際に最低賃金がアップされ、インフレによる物価高になっているにもかかわらず、作家の原稿料は上がっていないためです。 自分の記憶では、10年以上あがっておらず、基準単価は昔のままです。 社会全体の消費者物価指数的にはこの10年で120-150%は上がっています。 総務省|報道資料|2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)6月分 (soumu.go.jp) 社会全体の物価は上がっているのに(つまり貨幣の価値は下がっているのに)、原稿料は据え置かれたまま……ということは、原稿料の価値が下がっているということになります。 おおよそ、10年前の7割程度の価値になっているとも考えられます。 光熱費や食糧費、家賃といった生
2020年、私と夫はパンデミックのさなかにレイオフされた。でもレイオフされる前から疲れ切っていたのも事実だった。私は時給10ドルの仕事でこき使われていたし、夫は介護施設に薬を届ける契約運転手として働いており、週に1日しか休みがなかった。 労働時間を減らすためには、もっと別の方法で収入を得る必要があるのは明らかだった。つまりは副業だ。そこで夫婦でさまざまな副業に手を出してみたが、残念ながらどれもうまくいかなかった。 ブログとアフィリエイトを始めたものの、これで成功するにはSNSで大勢のフォロワーがいなければダメだとすぐに気づいた。ネット通販も試してみたが、仕入れコストがかさむうえ、特にパンデミック期間中は中国からの配送に信じられないくらい時間がかかった。自動販売機を購入して設置することも考えたが、これも初期費用がかかるし、パンデミック中に儲かる仕事とは思えなかった。 もはやお手上げか……と思
濱口桂一郎さんの『賃金とは何か』を読んだ 日本では会社ごとの賃金があり、そしておおまかには在籍年数に応じて役職定年までは毎年昇給していく、という給与システムはごくあたり前のこととして受容されている(と思う)が、そうしたシステムはどのように作られてきたか、ということを労働行政の賃金マフィアとでも言うべき一群の人達の視点を中心に書いている歴史書。 「どのように」みたいな話は本に書かれているので、読んで頂ければいいとして、この本の白眉と言える部分は以下の3箇所だと思っている。 代表団は全般的に見て、婦人労働者に正常の賃金と、より良い社会的地位とを保障する努力がこれまでほとんどなされていないと考えている。 人事の停滞を防止するための役職定年制度や早期退職優遇制度を提示していますが、 企業の活力を維持するためには年齢を理由にして 排除しなければならないような無能な者を、 職務遂行能力があると称して管
「年収を上げる」と検索すると、ずらり転職サイトが並ぶ。ライフハック記事の体裁だが、最終的には転職サイトに誘導する広告記事だ。 しかも見事なまでに中身がない。転職しないなら、「副業を始める」とか「スキルアップする」といった誰でも思いつきそうなトピックを、薄ーく書きのばしている。 ここでは、もう少し有益な書籍を紹介する。想定読者はこんな感じ。 スキルアップはしてるけど、給料UPにつながらない 転職も考えたが、今の場所で評価されたい 自分をプレゼンして「良く見せる」のがヘタ そんな人に、2つのアプローチで給料を上げる方法を紹介する。 人事制度の脆弱性をハッキングする 上司のバイアスを逆に利用させてもらう この記事は1のアプローチから攻める。 紹介する本はこれだ、『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』(西尾太、日本実業出版社)。 著者は人材コンサルタント。400社、1万人以上をコンサルティング
8月10日土曜日、とうとう危惧していたことが、現実になってしまった。 一人のお客様が、レジのところに来られ、 「先月7月29日に、お願いしていた本、入ってますか?」と言って尋ねて来られたのだ。 注文帳をめくると、7月29日の欄に「正体」染井為人著・光文社発刊 1冊と、スタッフTの字で書かれていた。光文社さんから取次への搬入日は、「7/31」と書かれている。 7/31から、今日8/10となると、取次で10日も止まっていることになる。 8/6 か、7日の時点で、本屋として、取次へ、未入荷の連絡するなりのチェックを、していれば、何とか間に合わすことができたのかも知れない。 その後のお客様とのやりとりは、こうだ。 お客様 「こちらのスタッフさんが、一週間ぐらいで入ると言ったから注文したのに...、入らないのなら最初からそう言って下されば......。」 店主 「いえいえ、7/31取次搬入なら、遅
2024年8月、日経文庫は創刊70周年を迎えました。その長い歴史の中で、日経文庫は数々のロングセラーや専門分野の名著を生み出しています。そこで、日経文庫の平井修一編集長に、さまざまなテーマでおすすめの日経文庫を解説してもらいました。今回は、20年、60年…と何十年も売れ続けているロングセラー11冊について。聞き手は、日経BOOKプラス編集・副編集長の小谷雅俊。 日経BOOKプラス編集・副編集長・小谷雅俊(以下、小谷) 今年、日経文庫は創刊70周年を迎えます。70年前というと1954年。日本史年表を見ると吉田茂内閣最後の年で、ゴジラ映画の第1作が公開された年です。これから高度成長期が始まるという時期ですね。改めて、その長い歴史を感じます。 平井修一編集長(以下、平井) 本当ですね。最初に出たのは『手形の常識』という本でした。実務的な内容の本が多いという傾向は、現代にも引き継がれていますね。こ
沖縄県の石垣島にあるTSUTAYA石垣店が7月15日に閉店という話を聞きました。 沖縄県のTSUTAYAは、フランチャイジーがTSUTAYA経営から撤退したこともあってここ1-2年で急速に店舗数を減らしていまして、「TSUTAYA」名義の店は県内残り4店舗。 ですが、那覇新都心店と宮古島店は既にレンタル業態から撤収しているため、所謂「レンタルできるTSUTAYA」は那覇市内の首里店と小禄店の2店舗だけということに。 2023年以降、この勢いで減っていますので。 2023/03/31:TSUTAYA 宜野湾上原店(ヴィアン) 2023/05/31:TSUTAYA 具志川店(ヴィアン) 2023/08/31:TSUTAYA 山内店(ヴィアン) 2023/09/30:TSUTAYA 壷川店(拓南) 2023/10/31:TSUTAYA 美里店(ヴィアン) 2023/11/30:TSUTAYA 与
2019年12月に自分の会社を設立した。 なんの考えもなく意味なく3月決算にしてしまい、4ヶ月弱で決算を迎え、2ヶ月以内に法人税を納める必要があるので5月に入ってから法人決算を行った。そのときに役立った本の紹介と実際に法人決算をやってみた経験談 (失敗談) を書いておく。 (2024-05-05 追記) 本稿の続編として時間が経ってからわかったことなどをまとめました。 法人設立のきっかけ仕事を辞めようと思ったとき、次にやりたいことはとくになかったし、40歳を超えて年齢的にも雇ってくれる会社をみつけるのは難しいだろうということは容易に予測できた。少し転職活動をしてみたものの、自分自身にやりたいことがないのもあり、あまり手応えを感じなかったので消去法のような流れで起業することにした。 私の場合、会社設立 freee を使って法人設立のための手続きをした。必要な手続きや書類作成など、法人登記まで
出版界隈の端っこにいる人間だけどさ。 もともと売れている本が、さらに売れるだけの糞賞。書店員なんか一部を除いてベストセラーしか読んでないので、ベストセラーにさらにブーストがかかって他の本との格差がえらいことになるだけの糞賞。売れていないけど良作を書いている作家の、モチベーションと売上を低下させている糞賞。本屋大賞のノミネーション10作品が長期間本屋のいい場所を占拠し続けるので、選に漏れた良作が埋もれるだけの糞賞。書店員の多数決という糞システムを採用しているので、同じような作家ばかりがノミネートされる糞賞。本屋大賞が影響力を持ちすぎたせいで、出版社も書店相手にゲラを読ませて帯コメントを取るなどの糞行為をはじめ、書評家・評論家の立場が低下し業界の批評機能を麻痺させている糞賞。 早く終われこんなもの。出版界の癌やろ。 参考: https://anond.hatelabo.jp/201404131
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やなぎや・とものり/1972年12月生まれ。1998年からITライターとして活動しており、ガジェットからエンタープライズ向けのプロダクトまで幅広い領域で執筆する。2018年から、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立し、ネット詐欺の被害をなくすために活動している。 https://prof.yanagiya.biz/ https://peraichi.com/landing_pages/view/dlis/ ChatGPT、あの会社はどう使ってる? ChatGPTに代表される生成AIは、誰にでも使える技術としてすっかり身近になりました。日々の仕事に活用したいと考えている人も多いのではないでしょうか。本連載では、ChatGPTなど生成AIを実際の業務に活用している企業に取材を行い、どのように導入・利用しているかをくわしく聞いていきます。 バックナンバー一覧 ChatGPTを筆
あだち・ゆうや/Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサルティング活動を行う。著書に、『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(日本実業出版社)、『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)、『人生がうまくいかないと感じる人のための超アウトプット入門』(河出書房新社)、『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』(日本実業出版社)など。 頭のいい人が話す前に考えていること 子どものころ、「ちゃんと考えてから話して」と言われたことはないだろうか。もしくは上司に「よく考えて」とか「ち
WAKEMI Akira @awakemi 京都にある大谷大学の教員。手持ちの時間と能力とを無視した好奇心に振り回されて、しばしば義務の履行を忘れる。基本的に独り言で、色んな性質のものがゴッチャです。あまり他人様にお見せできるようなものではないかも知れません。真宗大谷派恵日山長光寺の住職でもあります。 https://t.co/uc5p6MEwVA WAKEMI Akira @awakemi 今回のノーベル文学賞発表の報道で印象的だったのは、受賞者発表されても日本には書店に並べる日本語訳がないという状況だった。 ノーベル文学賞を受賞するほどの人は既にいくつもの賞を受賞していたりノミネートされていたりする。そういう人の作品が日本語に訳されていないというのだ。 2023-10-06 07:30:36 WAKEMI Akira @awakemi 文学は、外国語が日本語に最も翻訳されやすいジャンル
ところてん @tokoroten なるほど、不安耐性とか、判断を保留する能力とか、抽象のまま取り扱って具象に落とさないでいる能力、って私が言ってるやつ、Negative Capabilityって言葉があったんだなー これが無いと、いきなり問題を解決しようとしてしまうので、問題そのものを議論できなくなる scrapbox.io/hotchemi/%E3%8… リンク scrapbox - hotchemi マネージャーとNegative Capability - scrapbox - hotchemi Negative Capabilityという概念を最近知った。詩人ジョン・キーツが提唱したとされている用語で「事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」を意味する。対義語はPositive Capabilityで、所謂課題解決能力の事。 我が身に翻ってみると思い当た
ゴースト・ワーク 作者:メアリー・L・グレイ,シッダールタ・スリ晶文社Amazon『ゴースト・ワーク』とまるでホラー小説のような書名だが、ノンフィクションである。「ゴースト・ワーク」とは本書の造語で、人工知能やウェブサイトの動作を支えている、見えづらい(あるいは、意図的に隠されている)裏側の人間の労働のことを指している。わかりやすい例でいえば、人工知能のモデルに学習をさせるために、猫の画像に猫のラベルを貼りつける、あるいはフェイスブックやインスタグラムやツイッターのようなSNSで、暴力的なコンテンツとAIが自動で判定したコンテンツが、本当にまずいものなのか、誤判定されたものなのかをチェックする仕事である。 GPT-3〜4の登場もあってAIの発展著しい昨今、AIは多くの人間の仕事が奪われると恐怖と共に語られることが多いが、まだまだ完全に人間の仕事を置き換えることは難しい。それは逆にいえば、「
職場で妙にうまく自分の意見を通す人がいる。最近この人から本当に大切な事を学んだので、今日はそれについて書こうかと思う。 人間というのは面白いもので、同じことをやっても好かれる人と嫌われる人がいる。 貴方も「言ってることは正しいかもしれないけど、それにしてもコイツ、酷い言い方するなぁ」と思った事が一度や二度はあるだろう。 俗に言うところの「口のきき方に気をつけろ」というこの現象の正体が自分は本当に長い間よくわからなかった。そもそも「口のきき方」って単語自体が、なんか曖昧で要領を得ない。 そういう事もあって、冒頭に出した自分の意見を上手に通し続ける人が不思議で仕方がなかった。 ぶっちゃけた事をいうと、彼はそこまで人間的に魅力があるようにはみえなかったし、何かカリスマがあるような人でもない。 決して口ベタではないが、上手くも無い。 しかし気がつくと周囲とは軋轢を作らずに事を推し進めるのである。い
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