レッドブル創業者・ディートリッヒ・マテシッツは38歳のとき、雑誌『ニューズウィーク』に掲載された日本の高額納税者リストを見かけます。 その一位は、ソニーやトヨタではなく、彼が聞いたこともない企業・大正製薬の経営者だったのです。 当時世界第二位の経済大国であった日本で、リポビタンDのような製品で一番の高額納税者になることができるという事実に、彼は感銘を受けたのだといいます。 ユニリーバの子会社のマーケティング部マネージャーであったマテシッツはその二年後、出張先であるタイの製薬会社が製造する滋養強壮作用を持つドリンク剤にほれ込み、販売ライセンスを獲得、起業するのです。 それがレッドブル。1985年のことです。 優秀なサラリーマンとしてかなりの年収を得ていたマテシッツですから、脱サラは「賭け」と言えそうです。 しかし経済的にも、時間的にも自立したいと望んでのことだったのだとか。 そして彼はその賭