赤字支出を好まなかったトーマス・ジェファーソンは、存命のどの政治家よりも、財政出動による米国の景気刺激策をはっきり見渡せる立場にある。米ワシントンのタイダルベイスン沿いに立つジェファーソン記念館からは、堤防を修繕して像の水没を防ぐ1240万ドル規模の公共事業の様子が見えるのだ。 現場には機械や鉄網のロールが散らばっている。修繕事業のために、約20人の作業員が雇われている。この様子を見ると、景気刺激策が何らかの役目を果たしていることを否定するのは難しい。だが、米政権を批判する共和党議員らは、9.5%に上る失業率を引き合いに出し、刺激策が失敗だったと主張している。 今秋の中間選挙での民主党の勝算、そして追加刺激策の要求の行方は、刺激策が奏功したと証明できるかどうかにかかっている。 効果を証明するのは難しい。最近開かれた下院予算委員会の公聴会で、ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、