(2013年6月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 1週間前に国会に現れた日銀の黒田東彦総裁はまるで別人のようだった。今年4月に「異次元」の金融緩和を打ち出して投資家をあっと言わせた時の堂々たる姿とは大きく異なり、おどおどしていると言ってもよさそうなほどだった。 「もし量的・質的金融緩和についての日銀の意図が誤って解釈されたり、混乱を招いたりしたのであれば、遺憾に思う」。世界で2番目に大きな債券市場が下落し、ボラティリティー(変動率)の高い状態が続いていることについて黒田氏はこう述べた。 米国債などとの利回り格差が拡大、再び安全な避難先に 日銀の黒田東彦総裁〔AFPBB News〕 だが、それ以降、市場は黒田氏にいくらかの援軍を提供している。この点は米国債と比べてみればよく分かる。米国債は、米連邦準備理事会(FRB)が先週、資産買い入れの縮小に言及してから急落している。 しかし、日本