(2013年12月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 振り返れば2006年や2007年には、いくつかの先進国での株価の上昇や住宅ローンの増加、そしてその他の高リスクな貸出の拡大について、筆者を含む経済評論家たちが警鐘を鳴らしていた。 そして現在、住宅価格は再び上昇している。株価も高値を更新している。アルファベット3文字の略称を持つデリバティブ(金融派生商品)も戻ってきた。「コブ・ライト*1」のように、すっかり忘れ去られていた人気者まで復活している。我々は今後を心配するべきなのだろうか? いや、心配には及ばない。今回は本当に違うからだ。といっても、世界は新たな局面に入った、人口動態の変化などにより資産価格の高騰は正当化できる、などといった馬鹿げた議論を展開するつもりは筆者にはない。これらのバブルの中には弾けるものが間違いなく出てくるだろうが、実際に弾けても前回見られたような壊滅的な打撃