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ブックマーク / shavetail2.hateblo.jp (21)

  • スイス経済の何が問題だったか - シェイブテイル日記2

    今週もスイスフランショックがリスク要因として意識されそうです。 健全性だけが目立っていたスイス経済で何が起こっていたかを考えていくと、スイスの中央銀行に当たるスイス国立銀行(SNB)の資産内容と、スイス政府の財政健全化政策に問題の源泉があったように思えます。(→中銀バランスシートについては後で詳述します) 今日もスイスフランショックについて考察しますが、まずその前にスイスのマクロ経済状況を日と比較してみましょう。 ■経常収支(図表1) スイスは日を大きく凌ぐ輸出国です。 2013年の経常収支は対GDP比で16%に達しています。 図表1 スイスの経常収支(対GDP比) 出所:IMF WEO Oct 2014 ■財政収支(図表2) 財政面では近年のスイスはプライマリーバランス均衡を達成しています。 バブル崩壊と消費税デフレでプライマリーバランス赤字が拡大する趨勢にある日からすれば羨ましい

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  • 安倍首相が犯しつつある大きな誤ち - シェイブテイル日記2

    今回の衆議院選挙では安倍首相はアベノミクスとともに、消費税増税の延期を掲げ、「景気回復、この道しかない」と選挙で訴え圧勝しました。 しかし、シェイブテイルとしては前回衆議院選挙のような「これで日もデフレから脱却できる!」という高揚感がありません。それはこのままでは日経済は浮揚するどころか沈没しかねないという懸念が拭えないからです。 はっきり言って、日経済の最大の問題は、政府債務問題ではありません。 実はあなたの収入が増えないことこそ最大の問題なのです。 今回の衆議院選挙で与党は2/3を超える議席を獲得する圧勝でした。 安倍首相は来年10月の消費税増税こそ延期しましたが、2017年4月には景気条項を外して実施すると約束しています。首相のこの方針は正しい方向なのでしょうか。 ■政府債務と名目GDPの相関 早速ですが図表1を御覧ください。これは名目GDPと政府債務の経時的な変化を国際比較し

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  • 死にネコも叩きつければよく弾む - シェイブテイル日記2

    今日今年第二四半期GDPの一時速報が発表されました。 これによると実質GDPは同6.8%の大幅減少になったようです。 ただ、これにより政府が10%消費税の判断を翻すか、といえば却って増税へのゴーサインに確信を持つ可能性が出てきたのかもしれません。 今朝今年4-6月期の実質GDP速報値が発表されました。 最近の実質GDP成長率をグラフ化すると図1のようになります。 ちなみに、GDP成長率は前期比年率で示されています。 図1 実質成長率の推移 GDP成長率は前期比年率。 4-6月期は、個人消費が▲5.0%、住宅投資は▲10.3%、設備投資は▲2.5%と内需は悲惨な状況でした。 外需こそプラス5.2%ですがその内訳は、輸出▲0.4%−輸入▲5.6%ですから、内需の弱さの反映に過ぎないのかもしれません。 7月10日頃には、アナリストのコンセンサスでは今回のGDPはマイナス5%程度と見られていました

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  • 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記

    1000兆円の政府債務が積み上がった現代とよく似た状況が84年前にもありました。 ただ、その時積み上がっていた政府債務、よくいわれる言い方では「国民一人あたりの借金」とは90円でした。 1929年(昭和4年)、浜口雄幸内閣が誕生し国民から熱狂的に迎えられました。 浜口内閣は痛みを伴う改革を訴え、不況下の緊縮財政を断行します。 同年8月には、浜口首相は緊縮財政の必要性を訴えるビラを全国1300万戸に配布しました。 今日のままの不景気は底知れない不景気であります。これに反して緊縮、節約、金解禁(著者注:金位制に復帰すること)によるところの不景気は底をついた不景気であります。 我々は国民諸君とともにこの一時の苦痛をしのんで、後日の大なる発展を遂げなければなりません。 「全国民に訴う」 1929年8月28日 これに対して、野党・政友会の三土忠造は政府を次のように批判しました。 その中で当時大問題

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  • 消費税増税には慎重であるべきこれだけの理由 - シェイブテイル日記2

    今日の新聞では安倍首相が消費増税について予定通りの引き上げから引き上げ見送りまで、複数案の検証を支持したことが報じられています。 安倍晋三首相が来年4月に予定する消費増税による景気や物価への影響を再検証するよう指示したことが26日明らかになった。政府は法律で定めた通り消費税率を現行の5%から10%に2段階で引き上げる場合を含め、増税の開始時期や引き上げ幅を変える複数案を検討する。デフレ脱却を重視し、増税が来春以降の景気腰折れを招かないよう、追加的な景気対策の実施も視野に万全の準備で臨む構えだ。 消費増税、複数案を検証 首相が指示 上げ幅見極め 脱デフレ重視 日経新聞 2013年7月27日 こうした増税先送り案について、財務省は否定的な見解を示しています。 以下は、昨年5月に当時の民主党政権下で財務副大臣だった五十嵐文彦氏の名前で、財務省ウェブサイトに載せられている見解です。 Q.経済成長す

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  • 江戸時代の「財政ファイナンス」で何が起きたか - シェイブテイル日記2

    政府・日銀はこの2,3年内でのデフレ脱却を目指し、三の矢、アベノミクスと称していくつもの政策を打ち出しています。現在のところ、5月の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は生鮮品を除くベースで100.0となり、前年同月に比べ横ばいまで上がってきましたが、目標とする2%まではまだまだの状況です。*1 80年前の昭和恐慌での激しいデフレ局面では、金位制離脱と高橋財政により短期間で脱却したことについては何回か取り上げました。 今回は江戸時代前半の二度に亘るデフレ脱却について考えてみます。 【1】徳川綱吉時代 元禄年間初期、5代将軍徳川綱吉の時代は、各地からの金産出量低下によりややデフレ経済気味でした。*2 これに加えて綱吉の浪費もあり、徳川幕府始まって以来の財政難となりました。 綱吉は左右の者に、状況打開の手段はないかと諮問されました。 一同より勘定吟味役荻原重秀が進み出て、「御社参

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  • 「デフレ脱却は危ない」はここがオカシイ - シェイブテイル日記2

    最近書かれた「デフレ脱却は危ない−アベノミクスのジレンマ」(高橋淳二著)という。 公認会計士という著者「デフレ脱却は危ない」という主張を具体的に検証してみましょう。 以下 ❏:高橋淳二氏の主張(ページ数) ●:シェイブテイルの主張 です。 ❏(5)アベノミクスで金利上昇のないデフレ脱却は不可能ではないのか。金利上昇による危機に至らしめないデフレ脱却ルートを示せ。 ●:デフレを脱却すれば名目金利は上昇するでしょう。ただし同時に実質金利は逆に下降していき、投資が容易な環境となるでしょう。 黒田日銀の異次元緩和で実際そうした動きとなっています。(図表1)。 金融緩和で期待インフレ率が上がった 図表1 ブレイクイーブンインフレ率推移 出所:日相互証券 ブレイクイーブンインフレ率 ● 10年利付国債複利利回り●10年物価連動国債複利利回り ●ブレイクイーブンインフレ率(BEI) ❏(32)不必要

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  • アベノミクスを阻害するNHK日曜討論 - シェイブテイル日記2

    昨日5月19日のNHK日曜討論では甘利大臣に問う“円安・株高”“成長戦略”と題し、以下の出演者たちが語っていました。 ▼経済再生担当大臣/甘利 明 ▼経済財政諮問会議議員・日総合研究所理事長/高橋 進 ▼早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問/野口 悠紀雄 ▼生活経済ジャーナリスト/和泉 昭子 消費税増税の是非に関する場面では次のようなやりとりがなされていました。 (司会者)消費税増税について。和泉さん。和泉さんは消費税増税についていろんな方々から相談を受けると思いますが。安倍内閣が秋に消費税増税を行うかどうか確定していません。 (和泉) 現在(アベノミクスで)物価が上がり、消費税が上がり、また高齢者の年金が減少する、という状況はかなり厳しいと思うんです、が、私は今消費税を上げないでどうする、と思っています。景気が悪い時では熱がある子供をプールに入れてどうすると言われていたが、その後法律(

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  • 東大日次物価指数試験公開 - シェイブテイル日記2

    CPIより精度が高いと期待される東大日次物価指数というものが東京大学渡辺努氏らによって開発されています。 昨日5月20日から試験公開が始まりました。 東大日次物価指数にはまだ大きな変化がみられない 図表1 東大日次物価指数 5月20日より試験公開され始めた。 出所: http://www.price.e.u-tokyo.ac.jp/ 20日時点での物価は、過去1週間平均で、マイナス1.155%。 この指数によれば、リーマン・ショック前の資源高騰期を除けば 1993,4年頃から日はデフレで、今も変化していないことが分かる。 所々にあるスパイク状の物価上昇の原因も知りたいところ。 これによれば、アベノミクスが始まってから今日までのところは大きな物価変動はまだないようです。 今日・明日は日銀政策決定会合です。 日銀で、トービンのqを重視した政策運営をしているとすれば、今後共強力に異次元緩和を続

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  • 「東大日次物価指数」公表への期待 - シェイブテイル日記2

    27日の日経夕刊によれば、東大・渡辺努教授は5月20日をめどに、日々の物価の動きが分かる独自の消費者物価指数の公表を始めるとのことです。*1 総務省の消費者物価指数は月に1回、約1カ月後に発表されるのに対して、東大は5日程度で算出し、かつ原則として毎日公表するとのことで、日銀の異次元緩和が物価に与える影響や、来年4月に予定される消費税率引き上げ時の価格転嫁の動きなどをリアルタイムで分析できるとされています。 報道では速報性が主なメリットとして報じられていますが、渡辺努教授は速報性に加えて正確性にも配慮した物価指数の算出を目指しているようです。 教授の論文によれば、総務省の物価算出法は価格収集の対象となる商品の範囲をあらかじめ絞り込む点に特徴があり、一方、米国の方法は事前の絞り込みをせず、商品全体を対象に抽出する点に特徴があり同種製品でも、それを構成する各商品の販売実績に応じて抽出確率を定め

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  • 「デフレ宣言 物価下落を止めてはならぬ」 - シェイブテイル日記2

    安倍政権と黒田日銀の量的・質的金融緩和策により、現在円安株高が進行中です。 これは日が長年病んできた「緩慢な死」から必死に脱出しようとする結果もたらされているものです。 *1 このデフレの由来を辿れば、1997年の橋消費税増税と「構造改革」の美名のもと実施された緊縮財政、そして当時改正された日銀法のために、金融政策の手段どころかその目的まで政府から独立してしまった速水日銀による引き締め気味の金融政策の結果、1998年から日は継続的なデフレに突入したのでした。 それから3年以上経った2001年3月、政府が月例経済報告で日経済の状況をデフレと認定しました。 ところがその翌日、毎日新聞に次のような社説が載りました。 『毎日新聞』2001年3月17日朝刊社説 政府は16日、3月の月例経済報告で、現在の物価状況をデフレーションと認定した。いまの状況を「悪い物価下落」と断定したわけだ。しかし、

  • 最近のソロス氏発言からわかる日経新聞の読み方 - シェイブテイル日記2

    4月5日に再承認を受けた黒田日銀に対して、国内外からは賛否両論が出されているようです。 その中でひとつのニュースソースからこれだけ違う記事が書けるものかと思う例がありましたのでご紹介します。 その1 日経新聞4月6日夕刊記事*1 ソロス氏が黒田日銀に警鐘 「海外への資逃避も」  公開日時2013/4/6 8:23 著名投資家ジョージ・ソロス氏が、CNBCのインタビューで黒田日銀の「大胆」な新金融政策に警鐘を発している。 「黒田日銀が引き起こした円安は雪崩となり、止められなくなるかもしれない。危険な政策だ。日人の海外への資逃避が始まる可能性がある」 「米国と同規模の量的緩和を、米国の3分の1の国内総生産(GDP)の日が実行すれば、その影響力は3倍に達する」 「日は25年続いたデフレからの脱却を試みているが、同じ時期に、欧州は緊縮政策で、そのデフレの入り口に立つ」 総じて論調を聞いて

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  • アベノミクスの位置づけ再考察 - シェイブテイル日記2

    先週末のドル円相場は93円台を窺う円安となり、株式市場は12週連続陽線と、54年前の岩戸景気以来の連続上昇となりました。ここまでのアベノミクスは成功を収めつつあると言えます。 そこで、今回は政界と経済学界でのアベノミクスの位置づけについて再度考察してみましょう。 1.政界経済地図 図1は現在の政界を金融政策の積極度(上下)、財政政策の積極度(左右)で4分割して示したものです。安倍内閣のアベノミクスは2%インフレ目標に向けた無制限金融緩和という主張のように、金融政策に積極的です。 みんなの党も同様に金融政策積極派です。 かつての小泉・第一次安倍内閣も竹中氏が主導する形で金融政策には積極的でした。 ただ、第一次安倍内閣と比較して、第二次安倍内閣は金融政策も一層積極的になり、また財政政策にも積極的に変化しています。 図1 アベノミクスを巡る政界経済地図 現政界を縦方向に金融政策積極性、横方向に財

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  • NHK日曜討論で浜田宏一・野口悠紀雄両氏がバトル - シェイブテイル日記2

    今日(20日)のNHK日曜討論では「どうなる日経済 アベノミクスを問う」と題し、討論が行われていました。 議論の中で、NHKの経済番組としては珍しく浜田宏一氏と野口悠紀雄氏の意見の対立が鮮明でしたので、この点を中心に書き起こしてみました。その結果、岡村日商会頭の発言などはある程度端折っています。 出演者 甘利明経済再生担当大臣 岡村正日商工会議所会頭 浜田宏一内閣官房参与・エール大学名誉教授 野口悠紀雄早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 島田敏男NHK解説員 【日経済の現状認識】 島田 「日の経済の現状をどうお考えでしょうか」 (野口氏以外の一同は、アベノミクスによる円安株高など今後に期待すると言う主旨で発言) 野口「株式が活況を呈していることは間違いありませんが、国民の多くは不安を感じ始めています。 去年の2月にも似たようなことが起こっていまして、株価は上がったんですが、これは

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  • 次期日銀総裁候補たちの考え方を比べてみた - シェイブテイル日記2

    今日の読売オンラインによれば、「安倍政権は年明けから、日銀行総裁人事の格調整に着手する。最優先課題であるデフレ脱却に向けた姿勢を国内外に示す重要人事として注目されており、すでに複数の候補が取りざたされている。」とのことです。 記事によれば右写真の7人の名前が具体的に上がっており、4人が学者出身者、3人が財務省出身者となっています。 右写真は上から順に ◯岩田一政 日経済研究センター理事長(元日銀副総裁) ◯伊藤隆敏 東大教授(元財務省副財務官) ◯岩田規久男 学習院大教授 ◯竹中平蔵 慶応大教授(元経済財政相) ◯武藤敏郎 大和総研理事長(元日銀副総裁、財務官) ◯黒田東彦 アジア開発銀行総裁(元財務官) ◯渡辺博史 国際協力銀行副総裁(元財務官) 次の日銀総裁の手腕によって、日のデフレ脱却への道筋がつくかどうかが決するといっても過言ではありません。 そこで、これら7氏のこれまでの

  • NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記2

    昨晩9時からのNHKスペシャルでは「日国債」についてその危機的な状況が報道されていました。*1 確かに日の政府粗債務は2012年9月で約1100兆円に積み上がっています。 番組では、日国債売りを仕掛けているヘッジファンド、ヘイマンキャピタル代表 カイル・バス氏も登場し、「私たちは何年も前から日の借金レベルは返済できないレベルにあると考えています。」と語っていました。 しかしその一方で、国債の安全度のひとつの指標となる長期国債金利は日国債ではギリシャ国債などとは全く反対に、1%を下回り、世界最低レベルで安定しています。 では日国債は当は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。 また日国債の問題の質とは何なのでしょうか。 1.内債としての日国債 よく知られていますように、日国債の保有者は、9割以上が日国内居住者です。 内債は、政府は国債を発行することに事実上制約がなく、

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  • ニコ動・安倍晋三元総理がリフレ派に転向した訳 - シェイブテイル日記2

    12月2日に自民党安倍総裁が演壇に立ち、安倍氏がリフレ政策に転向した経緯と、現在の持論を展開している様子がニコニコ動画に掲載されていて*1、大変興味深いものがありました。 今朝の日経でも次の衆議院選挙で自公で過半数を取る勢いとも言われていますので、次期首相最有力の安倍総裁の考え方に耳を傾けてみましょう。*2 ここで私たちはどういう主張をしているかといえば、自民党の山幸三さんという元財務省の人が主張していたことなんですね。 それを私は聴いていて、これは暴論だなと思っていたんですね。 実は私も誰も相手にしていなかったんです。 これは日銀の言うことの方が正しいのかな、と思ってきたんです。それがぱっとある時、必ずしもそうではなくて、山さんの言うことの方が正しいのかなと。 私はこの分野(マクロ経済)は全然勉強をしてきたわけではないんですが、最近急にこれ(マクロ経済)についてお話を聴く機会を得なが

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  • リフレ派内の同床異夢 - シェイブテイル日記2

    私シェイブテイルは、「日経済活性化にはまずデフレ脱却が必要」といういわゆるリフレ派です。 ただ、ツイッターでのリフレ派同士の会話を見ていて思うことは、目的はデフレ脱却同士であっても、それを実現する手段として想定していることにはかなりの幅があることです。 デフレ脱却に、主に量的緩和策など金融政策を手段と考える人たちを仮に金融政策派としましょう。 また、主に国債発行により、公共事業や定額給付金・減税などの財政政策を考える人たちを財政政策派としましょう。そして中央銀行から政府が借りた資金を使って直接財政政策をやるべきという考えをヘリマネ派と呼ぶことにしましょう。そしてこれら三つの主張を比較してみました。*1 1. 金融政策派の主張 金融政策派は、量的緩和策など日銀が金融部門にマネーを潤沢に提供することで、金融部門から非金融部門への貸し出しが活発化し、デフレを脱却することを期待しています。 イン

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  • 貨幣とは何か - シェイブテイル日記2

    岩井克人「貨幣論」を読みなおしてみました。 残念ながら岩井氏は貨幣の質に辿りつけずに終わったように思えます。 それでは貨幣史から、当の貨幣の機能と貨幣の価値の源泉について考えてみましょう。 岩井克人氏は著書の大半でマルクスの労働価値論を振り返りながら貨幣とは何かを掘り下げようと論を進めていきます。 金貨については妥当な答え(貨幣商品説)にたどり着いたに見えましたが、磨り減った金貨や、兌換紙幣(兌換といいながら、実は全額兌換し得るか国民には見えず)に論を進めると、それは完全に妥当性を失います。そして、紆余曲折しながら、岩井氏は貨幣の価値とは、歴史過程での奇跡(つまり謎のまま)としてしまっています。貨幣は貨幣だから貨幣としての価値を持つ、といったところでしょうか。 これに対しシェイブテイルは貨幣の機能と価値の源泉について次のように考えます。 1.貨幣の機能:物々交換の加速 下のコラムの貨幣

    貨幣とは何か - シェイブテイル日記2
  • サルでもわかるあなたの賃金が上がらない理由 - シェイブテイル日記2

    経済が停滞しています。その中で平均賃金が下がり続けています。日人全員の収入が減っているわけではないのに、もしかしたら、あなたの給料はどんどん下がっているかもしれません。 その理由を考えたことはありますか? 個人個人の給料は勤め先の状況などのミクロ経済と呼ばれるもので決まります。ところがそのミクロ経済は目に見えにくいマクロ経済というものに支配されていることをあなたは意識したことがありますか。 このあなたに直結しているミクロ経済とマクロ経済の繋がりを、字が読めれば経済学を知らないサルでもわかるように分析してみましょう。 意外かもしれませんが、あなたの給料が上がらない原因が日銀にあることにきっと納得していただけるでしょう。 【2012.08.14追記】「なぜ企業業績が回復しているのに給料は上がらないのか」関連リンクからいらっしゃった方へ。 「なぜ企業業績が回復しているのに給料は上がらないの

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