筆者の手には、チップが埋め込まれている。これは本当の話だ。 2年前、ベルリンで開かれたテクノロジ見本市の楽屋裏で、入れ墨をした男性が注射器でチップを注入してくれたのだ。耳にピアスの穴を空けるときくらいの痛みしかなく、所要時間も同じくらいだった。チップは米粒ほどの大きさで、それまでとは違うスマートフォンの使い方ができるようになった。だが、正直に言うと、筆者がこの処置を受けてみたのは、純粋にジャーナリストとしての動機からだった(記事のためなら、大概どんなことでもする)。 「アップグレード」という点では、筆者の体験はおおむね無害で、大ごとでもなかった。だが今や、人間の脳を増強して「超知性」を発達させようと考えている企業家もいる。そうなると、脳にテクノロジを埋め込む、いわゆる「ブレインコンピュータインターフェース」を作る処置が必要になるだろう。 これは、人工知能(AI)とロボット工学の発展に対する
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