米欧の金融危機の深刻化により、外国為替市場で円が主要通貨に対して急騰する「円独歩高」が止まらない。24日のロンドン市場で円相場は一時、1ドル=90円台と約13年2カ月ぶり、ユーロに対しても一時、1ユーロ=113円台の円高水準を記録し、株安を一層、推し進めかねない勢いだ。超円高は85年と95年と過去2回起き、輸出に頼る日本経済を翻弄(ほんろう)した。今回は、金融当局の介入も難しく、有効打を見いだせない状況だ。【清水憲司】 ◇「困るの日本だけ」 最近の円高局面は過去のどれとも違う。ドル安によってもたらされた訳ではなく、背景には金融危機に伴う邦銀の損失が相対的に少ないので「円が安全な通貨として買われている」(国際金融筋)ことがある。欧米のファンドや投資銀行などが「円キャリー取引」解消を急ぎ、資金返済に円を大量に買うことも拍車を掛けている。 ドルは海外からの投資資金の米国回帰もあり、円以外に対して