2009年1月26日 田中 宇 米国でオバマ政権が就任して1週間が過ぎようとしている。オバマは、経済面や軍事外交面で失敗した前ブッシュ政権の姿勢を脱却することを意味する「変化(チェンジ)」という標語を掲げて当選した。しかし、就任1週間後の現時点で、オバマはいくつかの点で、すでにブッシュ政権の悪しき政策を継承しており、意外と「変化」に乏しい、人々を失望させる政権になっていく懸念が増している。 オバマは就任早々の1月22日、グアンタナモベイ米軍基地(キューバ島)にある悪名高きテロ容疑者の収容所を、1年以内に閉鎖することを命じる大統領令を発した。同時に、ブッシュ政権が世界各地の米軍のテロ容疑者収容所で容認した、テロ容疑者に対する尋問時の拷問を、米軍とCIAの係官に対して禁じた。 戦時の捕虜人権はジュネーブ条約で国際的に保護されてきたが、ブッシュは「アルカイダはジュネーブ条約の対象にならない」と