島根県浜田市の景勝地「石見畳ケ浦(いわみたたみがうら)」。かつてここに受験生が願掛けに訪れた石があった。崖に張り付くようなその様子から、地元では「落ちそうで落ちない石」として知られた。それが1年前に「落ちた」とき、地元に衝撃が走ったという。本格的な受験シーズンを迎え、いまどうなっているのか。現場を記者が訪ねた。 日本海側に面する石見畳ケ浦。荒波に削られ、高さ約25メートルの切り立った崖が続く。地面から約5メートルの高さに、「落ちない石」はあった。幅約1・3メートル、厚さ最大0・7メートル。その石は落下後、崖下に放置されていた。 近くの売店で働く金川俊子さん(59)は、「いつも『落ちそうだな』と思っていた。でも本当に落ちるとは。びっくりしたねえ」と振り返る。近くの住民らは、10年ほど前からここを訪れる若者たちの姿を見ていた。地元で「受験に御利益がある」と口コミで広がっていたとみられる。 その