最近、機械学習を勉強している人が増えてきたので、簡単な機械学習ならわかるよといった人たち向けに将棋AIの開発、特に評価関数の設計について数学的な側面から書いていこうかと思います。線形代数と偏微分、連鎖律程度は知っているものとします。 3駒関係 3駒関係はBonanzaで初めて導入された、玉と任意の2駒との関係です。この線形和を評価関数の値として用います。評価関数とは、形勢を数値化して返す数学的な関数だと思ってください。 この3駒関係を俗にKPPと呼びます。King-Piece-Pieceの意味です。将棋の駒は40駒ありますので、{先手玉,後手玉}×残り39駒×残り38駒/2 通りの組み合わせがあります。この組み合わせは1482通りあります。Cをコンビネーション記号とすると、次のようになります。 $$ 2 \times {}_{39}C_{2}= 2 \times \frac{39 \tim