JR九州と西日本が共同運行していた夜行の臨時快速列車「ムーンライト九州」(博多―新大阪)が10日、廃車処分され、姿を消した。 乗客減で今春の運行が見送られ、鉄道ファンから復活を求める声が出ていたが、かなわなかった。若者を中心に重宝された長距離列車は、臨時列車ゆえに事前に発表されることもなく、静かに引退した。 ムーンライト九州は1990年4月に博多―京都間で運行が始まり、春、夏、冬休みの期間に1日1往復していた。近年は、博多―新大阪間で運行。約620キロの道のりを9時間半から10時間かけて走った。寝台車両はなく、乗客は座席をリクライニングさせて体を休めた。 それでも乗客にとっては魅力的な列車だった。全国のJR線で普通、快速列車で乗り降り自由の「青春18きっぷ」を使えば、指定席料金を含め、5110円で済み、新幹線(自由席)に比べ、6割以上安く乗車できた。特に年末年始や盆には、帰省の若者の姿が目