私の住んでいる街に新しくタワマンがいくつも立つ。古い家が多く、いつか大火事になるであろう街区ではある。 子供の頃からずっとある、何事もなければ今後も商売を細々続けていくであろう商店街が半分なくなった。今は重機がタワマンを立てている。 食堂やら飲み屋、こまごましたものを扱う店など。半分ほどは別の場所に引っ越したが、もう半分は商売をやめた。 生まれて数十年、その風景とともに生きていた。その風景はなくなりつつある。とても寂しい。大切にしていたかと言われても、はい、とは言い切れない。その風景は、あって当たり前のものだったから。 タワマンは選挙や政治になにをどうしても既定路線だった。誰が選挙で勝とうと、計画は変わることはなかった。反対の署名は必ずした。選挙も行った。 マイルドに建て替える、ではなく、30階建ての建物をいくつも立てる。 反対していたタワマンに新しい住民が入る。楽しく、嬉しく、希望を持っ
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