How I felt with signitures 笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」 第7回 「“サイン”をもらって感じたこと」 コレクションを行う過程やそのための学習を重ねている折に出会い、“先達”と仰げ、あるいは、強烈な印象や刺激をうけた人には、いつの頃からだったか……、≪サイン≫をしてもらうことが習性になっていた。 よわいを重ね自分の歩みを振り返った時、“絵画コレクション”で自分のたどった足跡を再確認する大切な拠り所のひとつにもなると思ったからだ。 今、時折、それらのサインを見ることがある。当時の想い出が次々と湧き出てくる。その頃の美術界の雰囲気、その人と出会った街の光景、そして経済状況までもが再生されてくる。 1989年8月9日、モナコのプリンセス・グレース病院で帰らぬ人となったピエール・マティスのサインである。〔巨匠アンリ・マティスの次男:不世出の世界的な大画商
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