東:よく信頼社会とか安心社会とかいいますが、日本人は信頼してないんですよ、他人を。 自分の近くの人間だけしか信頼できない。匿名の他者を信頼するっていうことがやっぱりできてないんです。それがネット時代になって弱点としてかなり顕著に現れてきている。 中途半端に相手に生活が見える分、疑心暗鬼ばっかりが高まっている。一回かなり透明にしないとダメなのかなっていう気は最近してきました。 もともと僕は、「ネットとか匿名でいいじゃん」という派だったので、微妙に立場変わってきてるんです。 佐々木:匿名論。確かに微妙ですよね。 東:微妙です。ただ、僕自身は一回も匿名になったことがない。それどころか変名も使ってない。東浩紀っていうのは本名だし、二十代の頃から仕事してたってこともあって、ずっとネット上でも本名でやってた。だから僕自身は透明であるってことに全然怖さを覚えない。 佐々木:そうすると、有名だからじゃない
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