おおの・さらさ 1984年福島県生まれ。明治学院大学大学院社会学研究科社会学専攻博士後期課程。日本学術振興会特別研究員(DC1)。専攻は医療社会学。難病の医療政策史、難治性疾患の医療政策、ジェネティック・シティズンシップ(遺伝学的市民権)論、難治性疾患患者の社会経済的負担の分析等が直近の研究テーマ。 Website: https://sites.google.com/site/saori1984watanabe/ 「これで、終わりにしよう」と決めた――20代半ばで自己免疫疾患系難病患者となった著者は、いかにして難病医療の世界の住人たちと出会い、孤独な経験から抜け出す糸口を得たか。 指1本を動かせなくても、医師、ケアに従事する専門職、研究者、官僚、政治家、企業、それらのネットワークの中心にいてつなぎとめ事態の進展を促すというあり方も現実にあり得るのだ――治らない病を抱え生きることの意味は、多