哺乳類で雄と雌を産み分ける方法を、広島大学の研究チームが開発し、マウスやウシなどで実証した。特別な装置を使わずに精子の性染色体の違いを利用して、高い割合で産み分けることに成功した。技術的にはヒトへの応用も可能だという。研究成果は14日、米科学誌に掲載された。 哺乳類の性別は、XとYの二つの性染色体で決まる。X染色体が二つだと雌、XとY染色体が一つずつだと雄になる。卵子はX染色体が一つだが、精子はX染色体をもつもの(X精子)と、Y染色体をもつもの(Y精子)がある。X精子が受精すれば雌、Y精子なら雄になる。X精子とY精子は同じ数つくられ、これまで機能に差はないと考えられてきた。 チームは精子の元となる細胞からX精子とY精子ができる過程に着目。遺伝子を網羅的に調べ、X精子のみにある「受容体」を発見した。精子の尾の部分にあり、刺激すると精子の動きが抑制される。 試験管に培養液とマウスの精子を入れて