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ブックマーク / www.aozora.gr.jp (15)

  • 大杉栄 奴隷根性論

    一 斬り殺されるか、焼き殺されるか、あるいはまたい殺されるか、いずれにしても必ずその身を失うべき筈の捕虜が、生命だけは助けられて苦役につかせられる。一言にして言えば、これが原始時代における奴隷の起源のもっとも重要なるものである。 かつては敵を捕えればすぐさまその肉をらった赤色人種も、後にはしばらくこれを生かして置いて、部落中寄ってたかって、てんでに小さな炬火をもって火炙(ひあぶり)にしたり、あるいは手足の指を一切り放ったり、あるいは灼熱した鉄の棒をもって焼き焦したり、あるいは小刀をもって切り刻んだりして、その残忍な復讐の快楽を貪った。 けれどもやがて農業の発達は、まだ多少人の風の残っていた、蛮人のこの快楽を奪ってしまった。そして捕虜は駄獣として農業の苦役に使われた。 また等しくこの農業の発達とともに、土地私有の制度が起った。そしてこのこともまた、奴隷の起源の一大理由として数えら

  • aozorablog » 2018年にパブリックドメインへと入る作家たち

    カテゴリー:青空文庫 | 投稿者:OKUBO YuAuthor: OKUBO Yu About: 青空文庫には高校生のとき参加して、今や翻訳家・翻訳研究者。しばらく青空文庫をお休みするつもりだったのにそうも言ってられなくなってしまっててんてこまいの日々。ここでは電子のことをしゃべったり、物語を書き散らしたり、はたまた青空文庫批判をしてみたり、自由にやっていくつもり。See Authors Posts (55) | 投稿日:2017年10月1日 | 表には出していないのですが、実は例年、ボランティア作業のために、年末が近付くと翌年にパブリックドメインする作家たちのリストを簡易的に作っておりました。年々、情報は共有しなくちゃと思いつつ、なかなかできていなかったのですが、今回はあえてオープンにしようと思います。 2018年の年始からパブリックドメイン入りする作家のリストは、以下の通り。 ■現在

  • 自由か著作権か? (ストールマン リチャード)

    著作権は来、出版社に課された制約であり、公共の利益を守るものだった。しかし、人々が情報共有する現代情報社会では、逆の状況が生まれつつある。フリーソフトの旗手、リチャード・ストールマンの危惧とは何か。

    自由か著作権か? (ストールマン リチャード)
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    dowhile 2016/07/29
  • 江戸川乱歩 二銭銅貨

    「あの泥坊が羨(うらやま)しい」二人の間にこんな言葉が交(かわ)される程、其頃(そのころ)は窮迫(きゅうはく)していた。 場末(ばすえ)の貧弱な下駄屋の二階の、ただ一間しかない六畳に、一閑張りの破れ机を二つ並べて、松村武とこの私とが、変な空想ばかり逞(たくま)しゅうして、ゴロゴロしていた頃のお話である。 もう何もかも行詰って了(しま)って、動きの取れなかった二人は、丁度その頃世間を騒がせた大泥坊の、巧みなやり口を羨む様な、さもしい心持(こころもち)になっていた。 その泥坊事件というのが、このお話の筋に大関係を持っているので、茲(ここ)にザッとそれをお話して置くことにする。 芝区のさる大きな電気工場の職工給料日当日の出来事であった。十数名の賃銀計算係が、一万に近い職工のタイム・カードから、夫々(それぞれ)一ヶ月の賃銀を計算して、山と積まれた給料袋の中へ、当日銀行から引出された、一番の支那鞄

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    dowhile 2016/01/01
  • 太宰治 雌に就いて

    フィジー人は其(その)最愛のすら、少しく嫌味(いやみ)を覚ゆれば忽(たちま)ち殺して其肉をうと云う。又タスマニヤ人は其死する時は、其子までも共に埋めて平然たる姿なりと。濠洲の或る土人の如きは、其の死するや、之(これ)を山野に運び、其脂をとりて釣魚の餌となすと云う。 その若草という雑誌に、老い疲れたる小説を発表するのは、いたずらに、奇を求めての仕業(しわざ)でもなければ、読者へ無関心であるということへの証明でもない。このような小説もまた若い読者たちによろこばれるのだと思っているからである。私は、いまの世の中の若い読者たちが、案外に老人であることを知っている。こんな小説くらい、なんの苦もなく受けいれて呉(く)れるだろう。これは、希望を失った人たちの読む小説である。 ことしの二月二十六日には、東京で、青年の将校たちがことを起した。その日に私は、客人と長火鉢をはさんで話をしていた。事件のこ

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    dowhile 2015/09/13
  • 小栗虫太郎 方子と末起

    一、髪を切られる少女 (方子(まさこ)からの手紙) 末起ちゃん、お手紙有難う。 ほんとうにお姉さまは、末起ちゃんのために二年越しの敷布(シーツ)のうえがすこしも淋しくはありません。 行くんですってね……? まい日末起ちゃんは学校の裏庭へ行って、やまももの洞に彫ったあれを見ているそうね。 あたくしも、あなたと散歩した療養所裏の林の、白樺の幹を欠かさず見ています。 一つは、あたくしが四年あなたが二年のとき、もう一つは、それから一年経った先達っての話ね。そして孰(ど)っちにも、あなたとあたくしの、頭文字が刻んである。 恋しい人、たがいに離したくない、懐かしい人……。 ところが、今日末起ちゃんのお便りをみますと、あたくしの名を、刻んだほうの切り口から樹液が湧きだして、あなたのほうへ、涙のように流れていたとかいう話。 それであなたは、もしやあたくしに変りごとがあったのではないか、それとも、自分の足ら

  • aozorablog » 青空文庫2014年度新規公開作品の一日当りアクセス数ランキング

    カテゴリー:電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011Author: POKEPEEK2011 About: 青空文庫は論語を青空形式注記で入力してiPhoneで読もうとしたことから、いろいろtweetするようになりました。最近では、毎月のアクセスランキングの増加率ベスト30を計算して、twitpicで掲載することもしています。See Authors Posts (144) | 投稿日:2015年2月7日 | 2014年度新規公開作品で500位ランキングに入ったのはXHTML版で6作品、テキスト版で14作品と、2013年度(XHTML版8作品、テキスト版9作品)と比べて大幅に減り、2011年度、2012年度並に戻った(2011年度:XHTML版8作品、テキスト版9作品、2011年度:XHTML版10作品、テキスト版10作品)。やはり、2013年は吉川英治作品のビッグイヤーであ

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    dowhile 2015/02/08
  • 太宰治 葉桜と魔笛

    桜が散って、このように葉桜のころになれば、私は、きっと思い出します。――と、その老夫人は物語る。――いまから三十五年まえ、父はその頃まだ存命中でございまして、私の一家、と言いましても、母はその七年まえ私が十三のときに、もう他界なされて、あとは、父と、私と妹と三人きりの家庭でございましたが、父は、私十八、妹十六のときに島根県の日海に沿った人口二万余りの或るお城下まちに、中学校長として赴任して来て、恰好(かっこう)の借家もなかったので、町はずれの、もうすぐ山に近いところに一つ離れてぽつんと建って在るお寺の、離れ座敷、二部屋拝借して、そこに、ずっと、六年目に松江の中学校に転任になるまで、住んでいました。私が結婚致しましたのは、松江に来てからのことで、二十四の秋でございますから、当時としてはずいぶん遅い結婚でございました。早くから母に死なれ、父は頑固一徹の学者気質で、世俗のことには、とんと、うと

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    dowhile 2014/09/20
  • パソコン創世記 (富田 倫生)

    広島市生まれ。早稲田大学政治経済学政治学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、ライターに。ノンフィクションのさまざまな分野を取材対象としてきたが、次第にパーソナルコンピューターの比重が高まる。ボイジャーのエキスパンドブックを見て電子出版の可能性を気で信じ込むようになり、「パソコン創世記」と名付けたタイトルを、コンピューターで読むことを前提に制作。このブック上の記述を、インターネット上のさまざまなホームページにリンクさせていくという作業を体験してからは、電子への確信をさらに深めている。 紙で出してきた著書に、「パソコン創世記」(旺文社文庫版、TBSブリタニカ版)、「宇宙回廊 日の挑戦」(旺文社)、「電脳王 日電の行方」(ソフトバンク)、「青空のリスタート」(ソフトバンク)、「の未来」(アスキー)がある。

    パソコン創世記 (富田 倫生)
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    dowhile 2014/01/22
  • 岡本かの子 快走

    中の間で道子は弟の準二の正月着物を縫(ぬ)い終って、今度は兄の陸郎の分を縫いかけていた。 「それおやじのかい」 離れから廊下を歩いて来た陸郎は、通りすがりにちらと横目に見て訊(き)いた。 「兄さんのよ。これから兄さんも会社以外はなるべく和服で済ますのよ」 道子は顔も上げないで、忙がしそうに縫い進みながら言った。 「国策の線に添ってというのだね」 「だから、着物の縫い直しや新調にこの頃は一日中大変よ」 「はははははは、一人で忙がしがってら、だがね、断って置くが、銀ぶらなぞに出かけるとき、俺は和服なんか着ないよ」 そう言ってさっさと廊下を歩いて行く兄の後姿を、道子は顔を上げてじっと見ていたが、ほーっと吐息をついて縫い物を畳の上に置いた。すると急に屈托して来て、大きな脊伸びをした。肩が凝(こ)って、坐り続けた両腿がだるく張った感じだった。道子は立上って廊下を歩き出した。そのまま玄関で下駄を履(は

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    dowhile 2014/01/19
  • 遠野物語 (柳田 国男)

    この作品には、今日からみれば、不適切と受け取られる可能性のある表現がみられます。その旨をここに記載した上で、そのままの形で作品を公開します。(青空文庫

    遠野物語 (柳田 国男)
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    dowhile 2013/01/01
    公開あぁいいっすね~
  • 寺田寅彦 津浪と人間

    昭和八年三月三日の早朝に、東北日の太平洋岸に津浪が襲来して、沿岸の小都市村落を片端から薙(な)ぎ倒し洗い流し、そうして多数の人命と多額の財物を奪い去った。明治二十九年六月十五日の同地方に起ったいわゆる「三陸大津浪」とほぼ同様な自然現象が、約満三十七年後の今日再び繰返されたのである。 同じような現象は、歴史に残っているだけでも、過去において何遍となく繰返されている。歴史に記録されていないものがおそらくそれ以上に多数にあったであろうと思われる。現在の地震学上から判断される限り、同じ事は未来においても何度となく繰返されるであろうということである。 こんなに度々繰返される自然現象ならば、当該地方の住民は、とうの昔に何かしら相当な対策を考えてこれに備え、災害を未然に防ぐことが出来ていてもよさそうに思われる。これは、この際誰しもそう思うことであろうが、それが実際はなかなかそうならないというのがこの人

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    dowhile 2011/03/26
  • 魯迅 井上紅梅訳 孔乙己

    魯鎮(ろちん)の酒場の構えは他所(よそ)と違っていずれも皆、曲尺形(かねじゃくがた)の大櫃台(おおデスク)を往来へ向けて据え、櫃台(デスク)の内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。仕事をする人達は正午(ひる)の休みや夕方の手終(てじま)いにいちいち四文銭を出しては茶碗酒を一杯買い、櫃台(デスク)に靠(もた)れて熱燗の立飲みをする。――これは二十年前のことで、今では値段が上って一碗十文になった。――もしモウ一文出しても差支えなければ、筍の塩漬や茴香豆(ういきょうまめ)の皿盛を取ることが出来る。もし果して十何文かを足し前すれば、葷(なまぐ)さの方の皿盛りが取れるんだが、こういうお客様は大抵袢天著(はんてんぎ)の方だからなかなかそんな贅沢はしない。中には身装(みなり)のぞろりとした者などあって、店に入るとすぐに隣接した別席に著き、酒を命じ菜を命じ、ちびりちびりと

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    dowhile 2010/04/11
  • ギタンジャリ (タゴール ラビンドラナート)

    アジアで初めてのノーベル文学賞を受賞した、インド近代の代表的詩人。詩聖としてもさることながら、小説、戯曲、音楽、絵画、思想、哲学など、優れた才能はあらゆる方面に及んだ。その深く高い精神性からは、ときに釈尊の悟りやキリストの愛にも通じる、あらゆる物事の普遍的な質をも垣間見ることができる。教育にも力を注ぎ、在世中に設立した私立大学は、現在はインド首相が常に学長を務める国立大学となっている。インド国歌の作詞作曲者としても名高い。(LINDEN) 「ラビンドラナート・タゴール」

    ギタンジャリ (タゴール ラビンドラナート)
  • 図書カード:ドグラ・マグラ

    名・杉山泰道。右翼の大物・杉山茂丸の子として生まれ、はじめ農園経営に従事。僧侶、新聞記者などを経て、作家に。死の前年に書かれた大作『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇味と幻想性の色濃い作風で日文学にユニークな地歩を占める。 「夢野久作」

    図書カード:ドグラ・マグラ
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    dowhile 2007/12/24
    ドグラマグラを世に出す会
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