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江戸川乱歩 二銭銅貨
「あの泥坊が羨(うらやま)しい」二人の間にこんな言葉が交(かわ)される程、其頃(そのころ)は窮迫... 「あの泥坊が羨(うらやま)しい」二人の間にこんな言葉が交(かわ)される程、其頃(そのころ)は窮迫(きゅうはく)していた。 場末(ばすえ)の貧弱な下駄屋の二階の、ただ一間しかない六畳に、一閑張りの破れ机を二つ並べて、松村武とこの私とが、変な空想ばかり逞(たくま)しゅうして、ゴロゴロしていた頃のお話である。 もう何もかも行詰って了(しま)って、動きの取れなかった二人は、丁度その頃世間を騒がせた大泥坊の、巧みなやり口を羨む様な、さもしい心持(こころもち)になっていた。 その泥坊事件というのが、このお話の本筋に大関係を持っているので、茲(ここ)にザッとそれをお話して置くことにする。 芝区のさる大きな電気工場の職工給料日当日の出来事であった。十数名の賃銀計算係が、一万に近い職工のタイム・カードから、夫々(それぞれ)一ヶ月の賃銀を計算して、山と積まれた給料袋の中へ、当日銀行から引出された、一番の支那鞄