2021年11月、大阪・摂津市で検査を受けた住民9人全員の血液から、高濃度の毒性化学物質「PFOA(ピーフォア)」が検出された。最も高い人で、非汚染地域の70倍。9人は、1960年代からPFOAを製造していたダイキン工業淀川製作所の周辺に住んでいた。速報で報じた。 PFOAは、有機フッ素化合物で水や油をよく弾く。フッ素加工の「焦げ付かないフライパン」や防水の衣服、化粧品といった日用品として広く使われてきた。米国の化学メーカー「デュポン」などが1930年代からPFOAの製造を始めた。 米国では1950年代から、動物実験を通じてその毒性が明らかになっていく。デュポンは1981年、PFOAの製造ラインで働いた出産後間もない女性7人を調査した。全員の血中から高濃度のPFOAが検出され、2人の子どもは目に障害を負っていた。2012年には米国の独立科学調査会がPFOAに被曝したおそれのある約7万人の調
