神奈川県鎌倉市は15日、由比ガ浜など市内3か所の海水浴場の命名権(ネーミングライツ)の売却先について、鎌倉みやげで知られる「鳩サブレー」を製造販売する「豊島屋」(鎌倉市小町)に決定したと発表した。 一方、命名権売却には市民から疑問の声が上がっており、同社は自社名や商品名を付けず、新名称を公募する方針を明らかにした。 市によると、契約金は年間1200万円で、今年度から10年間。売却益は海水浴場の運営費の一部に充てられるが、市民から「伝統ある海岸を切り売りするのか」などの批判があったという。 この日記者会見した同社の久保田陽彦社長は「企業名、商品名が付くことに複雑な思いがあった。契約金は高額だが、命名権を確保するためなら出していいと思った」と説明。新名称の公募については、「地元に愛される名前にしたい」と強調した。7月9日の海開きには間に合わないため、新名称は来年度から使用する予定。