乳幼児の重い肺炎や気管支炎などの原因となるRSウイルスの流行が、北海道や埼玉、東京などで広がり、11月下旬の1週間あたりの患者数が9日、過去最多を更新した。 国立感染症研究所によると、小児科がある全国約3000医療機関が報告した患者数は11月24~30日で5495人に達し、過去最多となった前週の5151人を超えた。 RSウイルスは、感染者のせきやくしゃみなどの飛まつや鼻汁などを吸い込んだり、付着した手で口や鼻などに触れたりして感染する。年長の子どもや健康な大人の大半は、鼻水や軽い喉の痛みなど普通の風邪の症状で治まる。 だが、6か月未満の乳児が感染すると肺炎や気管支炎などを起こしやすい。ぜんそくの持病がある高齢者も重症化する恐れがある。昨年は全体で16人が亡くなっている。 有効な治療薬はないが、早産児や先天性の心臓病などの持病のある子どもは命に関わる危険性が高く、重症化を防ぐ抗体薬の注射が保