専門的な話の中ではなく、あくまで一般的な状況での話の中で、スクリーニング検査で本来は病気のはずなのに検査で陰性であった、「偽陰性」という概念は何となくわかりやすいのですが、本当は病気がないのに検査で陽性が出てしまった「偽陽性」という概念はあまり意識されていないように思います。“検査をしても病気は完全には拾えない”これは納得できるんです。どんな優れた検査でも拾えないことはある。絶対なんて検査はないというのは非常に分かりやすいんです。でも「検査をすることで病気でない人が病気になる」という確率が確かに存在することを想像してもらうのは一般の方には時に困難です。 しかも、不安だから検査をすればするほど、偽陽性の確率は上がかもしれません。毎日検査を受ければ病気はなくともいつかは病気となってしまうかもしれない。検査を受けたほうがよいという考えは、この偽陽性確率というものが集団的価値観から排除されていると