システム構築プロジェクトには,さまざまな人々が関係している。主なところでは,ユーザー企業のシステム担当者や元請け/下請けのITエンジニアなどだ。そのほか,営業担当者や,それぞれの担当者の上司や部下がかかわってくることも多いだろう。 こうした人たちが協力し合って,初めてプロジェクトは成立する。その人たちの間に役割分担や指示・報告するという関係はあっても,それ以上の力関係などはないはず。だが実際は,契約などを背景に「強者」と「弱者」が存在する。発注者に対して受注者は立場的に弱く,元請けに対して下請けは弱い。 本誌をはじめとする多くのメディアでは,たいていの場合,立場的に強者への取材に基づいて報道する。強者から見て華やかな成功プロジェクトであっても,視点を弱者に移せば違ったものが見えるのではないだろうか。 そこで,このシリーズでは弱者の視点にこだわる。ITエンジニア向けのWebサイト「ITpro