そろそろ話が錯綜してきたので、「恋愛と女性人物」の話についてまとめておこう。 まず、この話の前提となっているのは、何かしらヒロイックな魅力を備えている人物である。 世界を救おうとしているとか、スポーツで頂点に立とうとしているとか、巨大な権力を握ろうとしているとか、とにかく常人にできないことをしようとしている人物。 そういう人物が恋に落ちると、そのヒロイックな魅力が一気に色あせてしまうことがある。これをぼくの言葉で「堕落」という。 なぜ色あせるのか。それはけっきょくヒロイックな目的よりも個人としての幸福を選択してしまったからである。 もちろん、べつだん、個人の幸福を追求することが悪いわけではないが、ヒロイックな目的を捨て去ってしまった人物からヒロイックな魅力が薄れることは当然のことだろう。 「堕落」は男性人物にも起こりうることであるが、ぼくの考えでは女性人物により多く起こっているように思う。