かつての私は、頑迷なるグラビア不要論者であった。マンガ雑誌を買いはじめたころの私は、まだ幼く、性的に未熟だったので、水着姿で巻頭を彩るアイドルたちに心を動かされることは、まったくといっていいほどなかった。それに、幼い私は漫画に対して今よりもっと真摯に向き合っていたので、マンガ雑誌の巻頭を、マンガ以外のものが占めているということが、何とも不健全で、不純であるように思われたのだ。そんなものよりも、好きなあのマンガをカラーで読みたい。そんな気持ちであった。 第二次性徴を迎えたあとも、私のグラビアに対する態度は、ごく冷淡なものだったけれど、その理由はかつてとは少しばかり違っていた。マグマのように湧き上がる性欲は、私をすっかり即物的な人間に変えてしまっており、マンガ雑誌のグラビアではまったく物足りないというのが本音だったのだ。ハードコアにあらずはポルノにあらず。それが、十代の私が掲げたスローガンだっ