就職対策本は非常に多くのものがあります。拙著『自己啓発の時代』では、1980年代以降の自己分析を扱う対策本に焦点を絞って分析したのですが、調べた限りではそれだけでも700点以上刊行されていました。そのためかなり焦点を絞って対策本をピックアップする必要があるのですが、今回考えたいのは、2010年代の社会・経済・言論の変化がどう対策書に反映されているかということですので、近年刊行された就職対策本をとりあげるのがいいでしょう。 ピックアップの基準は2つです。第一が、書籍のタイトルに「就活」もしくは「就職活動」という言葉を含むこと。第二が、「○○年度版」という言葉を含まないこと。第二点目については、就職対策本の多くが、内容をあまり改訂することなく、「○○年度版」の数字だけを入れ替えて毎年刊行されていることによります。そのため、この種の対策本をみても、2010年代の社会・経済・言論の変化の反映を観察
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