平等に向けた取り組みが「やり過ぎ」と感じる日本のZ世代の男性は、同世代の女性や他世代の男性の約1・5倍に上ることが、国際的な意識調査で明らかになった。Z世代男性は他世代に比べ、平等が推進される中で何らかの不利益を感じている様子が浮かぶ。 何らかの不利益、実感? 調査はフランスの民間世論調査会社イプソスが2~3月、欧米やアジア、アフリカなどの各地域の29カ国計約2万1800人を対象にオンラインで実施。日本では983人(男性498人、女性485人)から回答を得た。
東条英機(前列左から3人目)内閣の閣僚ら。有権者が選んだ衆院議員は一人もいない。発足約2カ月後に太平洋戦争が始まった=1941年11月16日 大手メディアが8月に力を入れる戦争報道を、私は一年中続けている。物珍しいのか、夏以外にもしばしば講演やトークイベントに招かれる。 取り上げるテーマの一つが、大日本帝国の戦争と「国民の戦争責任」だ。 1945年8月15日も含めれば80回目となる「敗戦の日」を前に、この問題を考えてみたい。 なお、先回りして言えば、新聞の戦争責任は非常に重い。稿を改めて論じたい。 「補償」の言葉を嫌う政府 30年前の94年12月1日。 衆院厚生委員会で「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律案」と「原子爆弾被爆者援護法案」について議論が交わされていた。 焦点は被爆者に対する補償だ。 原爆に限らず、政府は戦争被害者に対する「補償」という言葉を嫌う。国の不当な行為が国民に被害
最高裁判決を受けた記者会見の後も、集まった記者に思いを伝える原告(手前)=東京都千代田区で2024年7月11日午後5時33分、手塚耕一郎撮影 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者から違法な勧誘を受けて献金被害に遭ったとして、元信者の女性の遺族が教団側に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は11日、女性が献金後に教団に差し出した「一切の賠償請求をしない」とする念書を「無効」と判断した。教団側勝訴とした1、2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。 裁判官5人全員一致の意見。教団への献金を巡る念書の有効性や勧誘の違法性に関して最高裁が判断を示すのは初めて。同種訴訟に影響を与えるとみられる。 判決によると、長野県に住んでいた女性(2021年に91歳で死去)は05~10年、教団側に1億円以上を献金。15年に教団に念書を渡した。1、2審判決はいず
2019年10月、世界平和統一家庭連合の友好団体が名古屋市で開いたイベントであいさつをする細田博之衆院議長。イベントには、旧統一教会の韓鶴子総裁も出席していた=鈴木エイトさん提供 岸田文雄首相は6日の自民党役員会で、党が9日にも公表する所属国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係を巡る調査に関し「党として一致結束し、毅然(きぜん)とした対応をとる」と述べた。党は8月26日に党所属の全国会議員を対象に教団との接点に関する調査を指示。回答を9月2日に締め切り、集約する作業を進めている。 茂木敏充幹事長は6日の記者会見で今回の調査対象について「所属国会議員以外に調査している党はない」と述べ、党籍を離脱している同党出身の細田博之衆院議長と尾辻秀久参院議長は対象にならないとの認識を示した。細田氏は教団との接点が複数指摘されている。
米連邦最高裁前で中絶を巡る憲法判断が覆ったことを歓迎する中絶反対派の女性ら=米首都ワシントンで2022年6月24日、西田進一郎撮影 米連邦最高裁は24日、1973年に女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた歴史的判例の「ロー対ウェイド判決」を49年ぶりに覆し、州による中絶の禁止や制限を容認する判断を下した。中絶容認派やバイデン政権が判決に強く反発するのは必至で、今年11月の上下両院選や州知事選などの中間選挙でも大きな論点になる。 訴訟では、妊娠15週より後の中絶を原則禁止する南部ミシシッピ州法の合憲性が争点となっていた。最高裁は24日の判決で「中絶は深い道徳上の問題だ。中絶の権利は憲法に明記されておらず、歴史や伝統に根ざしているわけでもない。憲法は州が中絶を規制したり、禁止したりすることを禁じていない」と結論づけた。
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)=1審で実刑判決、控訴中=と、妻の案里元参院議員(47)=1審で有罪確定=から現金を受け取ったとされる地方議員ら100人について、東京地検特捜部は全員を不起訴処分とする方向で調整を始めた。公職選挙法違反(被買収)容疑で刑事告発されていたが、無理やり現金を渡されるなどしており、刑事責任を問うほど悪質性は高くないと判断した模様だ。上級庁と協議して最終決定する。 克行元議員の1審判決によると、19年3~8月、地方議員や首長ら44人、後援会関係者50人、選挙スタッフ6人が案里元議員の票をとりまとめる趣旨で現金を受け取った。最高額は、亀井静香・元金融担当相の元公設秘書の300万円で、次いで元広島県議会議長の奥原信也県議(78)の200万円。1人当たり10万~20万円が多く、最も少ない人で5万円だった。
融資説明会で配布された入党申込書と資料=東京都内で2021年5月19日午後6時21分、最上和喜撮影(画像の一部を加工しています) 2020年12月10日午後。東京都港区にあるオフィスビルの一室で、経営者ら十数人を集めた「融資説明会」が開かれていた。金融機関の融資についての説明文書とともに、参加者にはなぜか自民党の入党申込書も配布された。司会者に促され、説明会の途中で姿を現したのは現職の自民党国会議員だ。議員が顔を出した理由は何か。毎日新聞はこの説明会の様子を録音した音声データを入手した。取材を進め、明らかになったのは――。(ログインした方は音声データを視聴できます) 関係者によると、この説明会は千葉県のコンサルタント会社が主催したもので、融資のスキーム(枠組み)を紹介するとの名目で開かれた。 司会を務めた同社代表は100%政府出資の金融機関の名を挙げ、融資スキームの資料を示しながら説明を始
参院予算委員会で立憲民主党の蓮舫代表代行の質問に答えるため挙手する菅義偉首相(左)=国会内で2021年5月10日午後1時34分、竹内幹撮影 東京オリンピック・パラリンピック期間中の新型コロナウイルス対応を巡り、菅義偉首相が国会でちぐはぐな答弁を続けて話題になっている。ツイッターでは「壊れた」「怖い」という投稿が飛び交い、「#国会騒然」とハッシュタグ付きのワードがトレンドに入った。読み上げる原稿を間違えるほど疲れているのか。ただ、国会をウオッチする識者からは「追及をしのぐための戦略」を疑う声もある。【生野由佳/デジタル報道センター】
参院予算委員会前に総務省の原邦彰官房長(右)と言葉を交わす武田良太総務相=国会内で2021年3月8日午前8時55分、竹内幹撮影 武田良太総務相は18日の衆院総務委員会で、NTTの澤田純社長らと会食したとの週刊文春の報道について「同席したことは事実」と認めた。その上で、JR東海の葛西敬之名誉会長と自分以外の出席者を知らず、ビール2~3杯程度で退席し、1万円を支払ったと説明。「(澤田氏ら)出席者から特定の許認可に関する要望、依頼を受けたことはない」として問題はなかったとの認識を示した。 立憲民主党の山花郁夫氏の質問に答えた。武田氏は当日の経緯について「葛西氏から声をかけられ、短時間顔を出すということで出席した。当日まで葛西氏と私以外の出席者は知らなかった」と説明。「別の予定もあったことから、中座する前提で酒のみをいただき、食事は注文していない。1時間に満たない滞在で、ビール2、3杯程度で退席し
香港各紙は5日、公立図書館が民主派の一部の著作について閲覧と貸し出しを禁じたと報じた。香港政府は、「独立」や「革命」などの主張を禁じる国家安全維持法(国安法)の施行が理由だと説明しており、早くも言論統制が始まったとみられる。今後は出版物への検閲も予想され、出版業関係者からは「海外での製本を検討する必要がある」との声が出ている。 香港紙によると貸し出し禁止対象は、▽民主活動家、黄之鋒氏の著作2冊▽民主派立法会議員、陳淑荘氏の著作1冊▽香港の「完全な自治」を主張してきた作家、陳雲氏の著作6冊――の計9冊。香港全土の公共図書館でこの9冊は計約380冊あるが、いずれもホームページで検索すると「検査中」との表示が出て、閲覧や貸し出しができない状態となっている。
判決を前にフラワーデモをする被害者の支援者ら=名古屋市中区の名古屋高裁前で2020年3月12日午後2時4分、兵藤公治撮影 2017年に愛知県で当時19歳の実の娘に性的暴行をしたとして、準強制性交等罪に問われた被告の男(50)の控訴審判決で、名古屋高裁(堀内満裁判長)は12日、無罪とした1審・名古屋地裁岡崎支部判決を破棄し、懲役10年(1審の求刑は同10年)を言い渡した。19年3月に類似の無罪判決が相次ぎ、性暴力被害者らが国に刑法改正を求める署名を提出、デモ活動も広がった。福岡地裁久留米支部で無罪判決が出された事件も、20年2月5日に福岡高裁で逆転有罪判決(被告は最高裁に上告)が言い渡されている。 被告は17年8月に勤務先の県内の会社で、9月に県内のホテルで娘と性交したとして起訴された。同罪は、相手を抗拒不能(身体的・心理的に抵抗するのが著しく難しい)の状態にさせたり、その状態につけこんだり
「痴漢で一番悪いのは満員電車ですよ。状況が人の行動を決めるんです」。5月下旬、広島修道大の中西大輔教授(社会心理学)がツイッターに投稿したところ、賛否の声が続出。「満員電車じゃなければ痴漢や痴漢冤罪(えんざい)にもおびえなくて済む」「満員電車は関係ない」などと議論を呼んだ。中西教授のツイートの真意とは。【待鳥航志/統合デジタル取材センター】 痴漢を巡っては5月中旬、撃退用の安全ピンを持ち歩くことの是非を巡り、ツイッター上で意見が飛び交った。これを受け、中西教授は「一番悪いのは満員電車」と投稿。これまでに700回近く拡散されて160件以上の返信があった(6月5日午後時点)。「満員電車のストレスが減るだけでも犯罪はだいぶ減る」との肯定的な意見もあるが、「一番悪いのは痴漢をする人間です」「路上や図書館にも痴漢はいる」といった反論が目立つ。…
【パリ賀有勇】フランス・パリのシンボルであり、世界中のカトリック教徒に親しまれてきたノートルダム大聖堂が15日、火災に見舞われた。「どうして……」。炎に包まれる大聖堂を見つめる人々は悲しみにくれ、見守る教徒らの合唱の声が街に響き渡った。 火災が発生した15日夕方。多くのパリっ子らがセーヌの川岸でビールやワインを飲みながら春の陽気を楽しんでいた。だが、大聖堂から白煙が立ち上ると、多くの人々が大聖堂があるシテ島を目指して歩いた。交通規制で車道が渋滞する中、緊急車両のサイレンが鳴り響いた。 発生から約1時間後、大聖堂の尖塔(せんとう)が崩落すると、付近に集まった人々から「ああ」という声が漏れた。風で運ばれてきた火の粉や火がくすぶっている木片が人々に降り注いだ。
衆院予算委員会で「妻の関与が明らかになれば総理も議員も辞める」と答弁した安倍晋三首相=国会内で2017年2月17日、川田雅浩撮影 6日連続集中連載 「私や妻が(国有地の)払い下げに関わっていれば首相も国会議員も辞めるということを、はっきり申し上げたい」 2017年2月17日の衆院予算委員会で安倍晋三首相が語ったこの言葉は、学校法人「森友学園」を巡る野党やメディアの追及を一気に加速させた。その後、昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が国有地取引を巡る照会を財務省にしていたことが明らかになり、昭恵氏の関与は今も最大の関心事になっている。 財務省が公表した交渉記録によれば、昭恵氏側から財務省に照会をかけたのは、谷氏が照会した1回。その他に、学園理事長の籠池泰典被告や学園が運営する幼稚園副園長の妻諄子被告が財務省側との交渉で昭恵氏の名前を出したことが5回あった。森友学園と財務省、そして昭恵氏の関わり
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