公明党は9日、政府の10年度補正予算案に反対する方針を固めた。11日の中央幹事会で反対を正式決定する。民主党の小沢一郎元代表の国会招致が進展しないうえ、中国漁船衝突事件の映像流出問題などで菅政権が混乱する中、安易な「すり寄り」は得策ではないと判断した。補正予算案の審議で公明党の協力を取り付け「ねじれ国会」の打開を目指した政府・民主党の基本戦略が崩れた形だ。与党は当初目指していた補正予算案の10日の衆院通過を断念、衆院予算委員会での採決を15日に先送りすることを決めたが、早くも会期延長論が出るなど、与党内には手詰まり感も広がっている。 「『政治とカネ』の問題で積極的な対応が取りきれていない。外交面でも失態を重ねている」。公明党の山口那津男代表は9日の記者会見で、菅政権を突き放した。 当初は補正予算案に賛成するとの見方もあった公明党だが、党内の風向きを変えたのは、中国漁船衝突事件のビデオ映像流