第30回正論大賞を受賞し講演する、現代史家の秦郁彦氏 =17日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザ(栗橋隆悦撮影) 戦後の日本では「戦い」という言葉にアレルギーを起こす人がいる。そのため歴史戦とはなんとなく暗いテーマという印象があるが、本来は明るい論争であるべきだろう。外国人とも議論でき、共通のテーマをめぐって自国の有利不利を超えた議論となる。歴史の事実を検討し合うことは、本来は楽しく意見交換することなのだ。それが「論より証拠」という歴史家同士の戦いでなく、「証拠より論」という政治、イデオロギーの戦いになっている。 隣同士だからといって、韓国とは仲良くできるというわけではない。かつて全斗煥元大統領が「千年の友情」と話していたが、それから20年もたたないうちに「千年の恨み」(朴槿恵大統領)となってしまった。中国の方が理にかなった歴史戦を仕掛けており、孫子は「敵を知り己を知れば百戦危うからず
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