日本の領土や歴史について、他国の主張ばかり強調するような教科書の偏向記述が後を絶たない。是正のため、下村博文文部科学相が検定基準を改正する方針を示したのは当然である。 検定基準は、教科書編集の指針となる。改正では政府見解や確定判決を踏まえることや、見解が分かれる事柄はバランスよく記述することなどを明確にする。 改正教育基本法では伝統文化を尊重し、国と郷土について学ぶ教育が重視された。ところが、肝心の教科書には、そのことが必ずしも反映されていない。 竹島(島根県)や尖閣諸島(沖縄県)について、他国が領有権を主張していることは強調しながら、「日本固有の領土」と明記しない例が目立つ。竹島について、「韓国に不法占拠されている」と日本政府の公式見解に沿って明確に書いている教科書はほとんどない。固有の領土として歴史的経緯の説明も薄い。 来春から使用される高校教科書の検定では、申請段階で尖閣諸島を「日本