【ソウル=黒田勝弘】韓国の親北・左翼政党である統一進歩党に“内乱陰謀疑惑”が持ち上がり大騒ぎになっている。情報機関の国家情報院は統一進歩党の幹部、李石基(イ・ソクキ)議員(51)らが北朝鮮に呼応する地下組織を結成し、有事に備え「銃器の確保や国家施設破壊など暴動を計画していた」として党関係者3人を逮捕し、国会議員会館の李議員室を家宅捜索するなど大々的な捜査を続けている。 韓国で刑法上の内乱陰謀罪事件は1980年5月、反政府武装闘争になった「光州事件」に関連し当時、野党指導者だった金大中(キム・デジュン)元大統領らが逮捕(後に無罪)されて以来、33年ぶり。国家情報院は李議員らの地下組織での発言記録などを証拠として入手し、その内容の一部がすでにマスコミで報道されている。 注目されるのは北朝鮮との関係だが、今のところ具体的な指令などは明らかでない。 国会で6議席を持ち、親北朝鮮路線で知られる統一進