【これまでの連載】 ◆①海兵隊を解剖する ◆②海兵隊が考える「沖縄駐留の必要性とは」 しかし、普天間航空基地移設をはじめとする沖縄基地問題は高度な政治問題となり、ホワイトハウスや連邦議会のコントロールに服さねばならない軍事組織が公に意見を差し挟む問題ではなくなっている。そのため前回紹介したような「存在意義」は別として、沖縄の海兵隊基地存続に賛成する意見も反対する意見も、とりわけ存続を疑問視する意見に公的な場で触れることは殆どない。 とはいえ、純軍事的議論に限定して、沖縄の米海兵隊駐留に疑義を呈する議論はあるにはある。それらを一言で言えば「海兵隊が沖縄に駐留することで、海兵隊自身が誇る柔軟性や機動性などを大きく損なう結果になっているのではなかろうか?」といった疑問だ。 以下本稿では、米軍関係者から漏れ聞こえてくる「在沖縄海兵隊の現状に関する疑義」のうちのいくつかを要約してみたい(ただし、それ