国交正常化から半世紀以上を経た日本と韓国は、歴史問題を前に関係悪化が止まらない。そこで欧州の紛争解決学を参考にしつつ、東アジアの歴史もふまえた「和解学」で解決の糸口を見いだそうとする動きがアカデミズムの世界で出てきた。日韓両国の「和解」の道とは? 研究を主導する早稲田大学教授の浅野豊美さんに聞いた。 ――日韓両国の政治関係の悪化はかつてない深刻さです。なぜこんな状況になったのでしょうか。 「日韓両国は1965年に国交を正常化しました。これは国家対国家の『制度としての和解』だったと言えます。65年体制などと言われますが、この時は日本による35年におよんだ植民地支配が合法か不法かをあいまいにして、いわば双方の『正義』を共存させました。グローバル化の時代となり、その矛盾が露呈してきた」 「それでも80年代まではうまく機能していました。日本政界では超党派的な連携がみられ、日韓間でも自民党の知韓派と
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