【台北・大谷麻由美】中国国営・新華社によると、中国政府は8日、昨年1月に台湾南部から輸入が始まった特産魚・サバヒー(台湾名・虱目魚)の中国での消費が伸び悩んでいる理由を「虱(しらみ)」の字が悪いと判断し、新たに中国での呼び名を「状元魚」と決めた。「状元」とは、中国で598~1905年まで続いた官僚の登用試験・科挙で成績第1位に与えられた称号。中国での消費拡大で、中国への警戒心の強い台湾南部の民心を掌握しようという意欲が表れている。 中国人はサバヒーを食べる習慣がなく、名前にもなじみがない。台湾政策を主管する中国政府の国務院台湾事務弁公室の王毅主任(閣僚)は「『虱』の字は、中国の民衆に生活環境の悪かった時代を思い起こさせる」と考え、改名を提起していた。 サバヒーは、台湾野党・民進党の地盤である台湾南部で養殖されている。中台間の経済協力枠組み協定(ECFA)でサバヒーも昨年1月から関税の段階的