今夏はうなぎもどきに舌鼓。といっても最近ヒットしている代替商品ではなく、こちらは伝統と格式ある精進料理の一品だ。 かば焼きなどで味わう夏の元気メニュー「うなぎ」。価格はこのところ、まさにうなぎ登りに高価になってしまった。そこで少し目先をかえて、いつもとは違う精進料理で味わう“うなぎ”にもチャレンジしてみたい。 精進料理は殺生を禁じた仏教がルーツで、基本的には肉や魚を使用せず、野菜や大豆が主な材料となる。鎌倉時代に中国から伝わり、禅宗が発展に大きく寄与した日本流のものと、江戸時代の初期に、同じく中国からもたらされた中国風精進「普茶(ふちゃ)料理」があり、それぞれに“うなぎ”メニューが存在し、いずれも絶品だ。 まず、日本流では、静岡県浜松市にある臨済宗方広寺派の大本山「方広寺」で、今夏から始まった「精進うな重(1,200円/吸い物、香の物付き。別途拝観料400円)」が話題となっている。これは、